

このドラマの中で、未来のできごとを正確に予知したと思われる場面が2つあります。
アポロ11号が発射される年と曜日を正確に予知
1967年1月26日に放送された『宇宙大作戦』シーズン1第19話『宇宙暦元年7・21』で、エンタープライズ号は誤って60年代のアメリカ上空にタイムスリップしてしまいます。その時、偵察のため付近を飛行していたアメリカ空軍のパイロット・ジョン・クリストファー大尉(ロジャー・ペリー)がコックピットからエンタープライズの船内にビームしてしまいます(上の画像参照)。そのパイロットはカーク船長に「有人宇宙飛行船が水曜日に月に向かって発射される」と言います。カークたちは、その情報を元にして、自分たちが1969年にやってきたことを知ります。

それから2年後の1969年7月16日(水曜日)、ニール・アームストロング船長、バズ・オルドリン月着陸船操縦士、マイケル・コリンズ司令船操縦士の3宇宙飛行士を乗せたアポロ11号がケネディ宇宙センターから打ち上げられ、7月20日に月面「静かの海」に軟着陸、アームストロングとオルドリンが人類として初めて月面に降り立ちました。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺を予知
1968年3月29日に放送された『宇宙大作戦』シーズン2第26話『宇宙からの使者 Mr.セブン』で、エンタープライズ号は歴史を調査するため、1968年の地球の軌道上を回っていました。その際、科学士官のスポック(レナード・ニーモイ)は、60年代が激動の時代であると語り、その一例として「重要な政治的暗殺が起きる」と言います。

それから6日後の4月4日、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、テネシー州メンフィスで遊説活動中、白人男性のならず者、ジェームズ・アール・レイに銃撃されました。弾丸は喉から脊髄に達し、キング氏は病院に搬送されましたが、間もなく死亡しました。
これらの予想が的中したことは単なるまぐれ当たりに過ぎないと多くの人々が言っていますが、「それにはもっと意味がある」と主張する人もいます。『宇宙大作戦』の脚本家にはタイムトラベル能力があり、未来で見聞したことを何気なく脚本に盛り込んだのだ、と言うのです! さすがにその説はこじつけかもしれませんが、ひょっとしたら脚本家の人たちは、無意識のうちに未来のできごとに意識をチューニングしたのかもしれませんね。