スコットランドの別荘を賃貸した夫妻が体験した驚異のできごととは?

イギリスの作家であるジョン・ジェフリーズ氏は、初めて出版した本の売れ行きがよかったので、本業から6か月の休暇を取って、スコットランド西部にある大きな別荘を貸借しました。ジョンさんは静かな環境の中で新しい小説を執筆しようと思ったのです。

ジョンさんと、彼の妻・ステラさんが別荘に引っ越してきた時、そこは理想的な住居のように思えました。二人は近くの村から家政婦を雇い、料理と掃除を任せることにしました。二人は地元の人たちと親交を深めながら、仕事に取り掛かりました。しかし、ほどなくして不可解なできごとが起きるようになりました。

不可解なできごとが次々と……

何かがおかしいことを示す最初の兆候は、家政婦が夜勤をすることを頑(かたく)なに拒否した時に現れました。家政婦に夜食を作るよう頼んだら、「いかなる理由があろうとも、それはできません」と首を横に振ったのです。実のところ、彼女は日没後に家の中で働くことをきっぱりと断りました。

次に夫妻は晩餐会を催すことを決め、友達になった村人たちに招待状を送りました。ところが、「あいにく先約がありますので……まことに遺憾ながら……出席は見合わさせていただきます」と、次から次へと断りの返事が寄せられたのです。結局、誰一人として招待を受けませんでした。

そんな中、ステラさんが近くの街で買い物をしていた時、土地の女性と会話をする機会を得ました。その女性の話によると、「当地の入り江には幽霊がよく出る」という噂が広まっていると言うのです。夫妻が借りている別荘はその入り江を見下ろす場所に建っていたのです。その女性はそれ以上話をすることを拒みました。

このように不審なできごとが起きたにもかかわらず、引っ越ししたことによって、夫妻は大きな成果を挙げました。ジョンさんは二番目の小説を書き上げ、ステラさんは地元に生息する植物や野生動物に関する一連の記事を売ることに成功しました。ジョンさんの新しい小説は大ヒットし、ステラさんは野生生物に関するテレビ番組に出演することになりました。

閑静な入り江に16世紀の巨大なスペイン戦艦が出現!

すべてが順調に運びました。唯一心残りなことは、スコットランドでの滞在が終わりに近づいたことでした。別荘の賃貸契約が間もなく切れるので、ロンドンに帰る準備を始めなければなりません。そこで二人は最後の三週間を休暇にあてることにしました。

夫妻は数日にわたり当地の観光地を訪ねて回りました。しかし、スコットランドの天気は変わりやすいのです。ある日、大雨になり、一向にやむ気配を見せません。そこで二人は家の中で一日を過ごすことにしました。午後になるまでに、ジョンさんはクロスワードパズルに頭をひねり、ステラさんは記事の推敲に励んでいました。

そんな中、外で銃の発砲音が鳴り、二人を驚かせました。航行中の船に問題が生じた時、船員は助けを求めるために銃を撃つことがあります。そこでジョンさんは直ちに外に出ました。そこで見た光景はジョンさんを驚愕させました。入り江に巨大な帆船が停まっていたのです。二人が聞いたのは銃声ではなく、帆が風に吹かれて立てた音だったのです。

船そのものはうっとりと見とれるような光景でした。16世紀に海を渡ったガリオン船(大型帆船)のように見えました。古めかしい衣装に身を包んだ船員たちが索具装置に群がり、ボートを海上に下ろすために奮闘しているように見えました。いつの間にか雨はやみ、船員たちは明るい日光の中で作業に励んでいました。

ジョンさんはステラさんを呼ぶために振り返り、不可解なことに気づきました。背後では依然として雨が激しく降っていたのです。実際、黒雲が空全体を覆っていました。しかし、帆船を中心にした直径およそ300メートルの円内には日光が降り注いでいたのです。

外に出て夫に加わったステラさんは、ほかにも不可解な点があることに気づきました。雲の流れる方向と、風に吹かれてたなびく帆の方向が正反対だったのです。それは絶対にありえないことだったので、ステラさんは自分の目が錯覚を起こしたのではないかと疑いました。彼女は双眼鏡を持ってくるために屋内に走っていきました。

そうこうするうちに、帆船から降ろされたボートが着々と岸に近づいてきました。ジョンさんはその模様を不安な気持ちで見つめていました。彼は「納得のいく説明があるに違いない」と自分に言い聞かせていたのですが、彼の直感は「大問題になるかもしれない」と警告を発していました。そんな中、ステラさんが出てきて、夫に双眼鏡を手渡しました。「あれはスペインの戦艦よ」とステラさんは夫に告げました。


グラベリンズの戦い

信じられないことですが、二人は16世紀に海を渡ったスペインの戦艦を見ていたのです。スペインの無敵艦隊はフェリペ2世によりイギリス侵攻を目指して編成されたもので、それまでで最大の艦隊でした。しかし、1588年に起きたグラベリンズの戦いなどで、フランシス・ドレーク率いるイギリス海軍に敗れたのです。実際、夫妻が注視している帆船は損傷を負い、スペインの乗組員によって性急に修理が施された跡が見られました。ジョンさんは、英軍の発砲によって船が損傷を負ったのだと推理しました。

そうこうするうちに、スペインの船員たちが漕ぐボートが岸に近づいてきたので、ジョンさんは「逃げようか?」と妻に尋ねました。でも、妻は首を横に振りました。ステラさんはじっとしている方が得策だと思ったのです。ひょっとしたら船員たちは自分たちの存在に気づいていないかもしれない。下手に動いたら注意を惹くだけだと。

というわけで、ボートが岸に到達した時、二人は身動きせずに立っていました。二人とボートの間の距離は、わずか50メートル弱でした。船員たちはボートから出て、飲み水を入れるための大樽を下ろし始めました。船員たちを指揮する士官は弱冠20代前半の若者でした。その若者はピストルを腰に携帯していたので、夫妻は緊張しました。

ピストルを携帯した若い士官が夫妻に向かって……

一瞬、彼が銃を撃つことを恐れたのですが、さにあらず、若い士官は水の樽を指さし、夫妻に向かって大声を上げました。ジョンさんは、帆船で飲み水が不足していることをすぐに悟り、近くの庭にある井戸を指さしました。部下たちはその井戸まで樽を運び、水を入れる作業に着手しました。

作業は猛烈なスピードで展開しました。すべての樽に水が入れられ、船員たちは樽を転がしてボートまで運び、積み込みました。作業が完了した時、士官は夫妻の方に振り向きました。一瞬、緊張した空気が漂いました。しかし、士官は銃を撃つことなく、帽子を取って仰々しくお辞儀し、ボートに飛び乗って母船に向かって進んでいったのでした。

帆船に到着したボートから、樽がウインチで次々に巻き上げられ、帆船に積み込まれました。包帯をし、松葉杖をついた乗組員たちが、痛みをこらえながら樽に向かって進んでいく姿が認められました。彼らは乾ききった喉を潤すことに必死だったのです。やがてボートも引き上げられ、戦艦は海の彼方に向かって進んでいきました。

次の瞬間、帆船は掻き消えました。それとともに帆船を囲んでいた円形の日光も消え失せ、ジェフリーズ夫妻は驚異の念に打たれながら降りしきる雨の中に立ち尽くしていました。

ほんの数十メートル先の海岸には、船員たちの足跡や、樽を転がした跡、そしてボートを浜に引き上げた時の深い跡がまだ残っていました。しかし、やがて土砂降りの雨がそれらの跡をすべて押し流してしまったのでした。

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