これはスウェーデンの小さな街に住むある少年の体験談です。上の画像は、この話の舞台となったスウェーデン・ストックホルムの絵です。

出張に出かけたはずのお父さんが、なぜか……

ボクのお父さんは日曜の夜に仕事でストックホルム(スウェーデンの首都)に行きました。自宅から自家用車で近くの街までドライブし、そこに車を停めて、電車に乗ってストックホルムまで行ったんです。駅からストックホルムまでは電車で4〜5時間の距離があります。

月曜日の昼間にお父さんから携帯メッセージが送られてきました。火事で電車が遅れたので、目的地に着くまでに2時間余分にかかったと言っていました。お父さんはよくこういうメッセージを送ってきます。ボクはそんなこと、どうでもいいのに ww

お父さんは火曜日の夜に帰ってくることになっていたのですが、火曜日の朝6時半に、ボクはスクールバス(生徒の通学を目的として運行されるバス)に乗って発車を待っていました。待っている間に窓外を見たら、うちの車とまったく同じ車が目に留まったので、変だなと思いました。ナンバープレートを見たら、うちの番号と同じでした!

ボクは「やばい! うちの車が盗まれたんだ」と思いました。でも、それは変なことでした。お父さんが車を停めたところからボクたちが住んでいる街までは、およそ2時間の道のりなのです。なぜ泥棒はわざわざ僕たちの住む街にやってきたのでしょう?

そこで視線を上に移して運転席を見たら、なんと車を運転していたのはお父さんだったのです! お父さんは普段よく着るような服を身に着けていました。そして助手席にはお父さんよりも年上の女性が座っていました。

あまりにも奇妙なので、ボクはお父さんにこんな携帯メッセージを送りました。

「今ストックホルムにいるはずなのに、なぜボクのスクールバスの横を通り過ぎたの?」

15分後に返事が送られてきました。どうやら寝ているところを起こしてしまったようです。そのメッセージには、ボクが何のことを言っているのかさっぱり分からない、と記してありました。夢でも見たのだろう、と。ボクはムッとしました。お父さんがウソをついたと思ったからです。

しばらくしてお父さんから電話がかかってきたので、「パパはウソをついている」と非難しました。するとお父さんはこう言いました。 「そんなに疑うのなら、パパの泊まっているホテルに電話して、いつチェックインしたのか尋ねるがいい。パパは日曜日の夜遅くからここにいるのだから。」

そこで状況を説明したら、お父さんは「多分お前はうちの車と似たような車を見かけて、その運転手をパパと見間違えたのだろう」と言いました。でも、それではナンバープレートが一致したことを説明できません。するとお父さんは「じゃあ、盗まれたとしか思えない」と言いました。でも、盗まれたことはありえませんでした。なぜなら、車はお父さんが運転していたからです!

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