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これはクロアチアの女性・アンドリアジャーナさんの体験談です。

サイトランス・パーティーの会場で謎めいたマジシャンに出会い……

一年ほど前、私は「サイトランス・パーティー」に行きました。私が住む街の中心に荒れ果てたビルがあるのですが、そこがパーティー会場になっていました。念のために言っておきますが、この日、私は酒を飲まなかったし、麻薬をやるようなこともありませんでした。

パーティーはビルの二階で行われ、一階にはいくつかのテーブルや椅子が置いてありました。ある時点で私は気分が悪くなってしまいました。というのも、その日はひどく暑く、おまけに会場が人であふれ返っていたからです。そこで、パーティー会場から一時離れ、一階の椅子に座って一息つくことにしました。

そんなわけで休んでいたら、一人の見知らぬ男性が近づいてきて、「手品を見たい?」と声をかけました。そこで私は「もちろん。あとで種を教えてくれたらね」と応えました。彼は種を教えることに同意し、トランプを取り出して、それを切るよう指示しました。

通りすがりの人たちが、手品をやっていることに気づき、人々が集まってきました。切ったトランプを彼に返そうとしたら、「その中から適当に一枚を選んで、何のカードかを覚え、裏向きにして膝の上に置いて」と指図しました。私の選んだカードはハートの4でした。彼がそのカードを覗き見ることは絶対に不可能でした。

次に彼は財布から小さな黒い紙を取り出しました。その紙にはブードゥー教を思わせる謎めいた白の記号が記されていました。彼は私の吸っていたタバコを手に取り、紙に火をつけました。すると紙は大きな青い炎を上げ、次の瞬間に消滅しました。灰はぜんぜん出ませんでした。

次にマジシャンが「選んだカードの色(黒か赤)をイメージして」と言ったので、その通りにしました。続いて彼は「カードの記号(ハート・スペード・ダイヤモンド・クラブ)を心に描いて。そして絵札か数字札を視覚化して」と指示しました。その時、ふといたずら心が起きました。私が選んだカードはハートの4だから数字札なのですが、わざと絵札をイメージして彼をだましてやろうと思ったのです。すると、彼はこう言いました。

「ふむ。あなたはずる賢いね。絵札ではないということが分かったよ」と!

最後に彼はカードの数字をイメージするよう指示した上で、「あなたが選んだカードはハートの4だね。みんなにカードを見せて」と。膝の上に置いてあったカードを観客に見せたら、みんなが感嘆の声を上げ、「もう一度やって」とせがみました。

というわけで、マジシャンはまた同じトリックを演じることになりました。次にカードを選んだのは女性で、私の親友でした。同じ手品が繰り返されました。前回と同じく黒い紙を燃やした後、手品師は彼女の選んだカードを当てる作業に入りました。そんな中、彼女も私と同じように手品師をギャフンと言わせてやろうと、違う色を心に描いたのだそうです。しかし、今回もマジシャンは彼女の魂胆を見抜き、見事にカードを当ててのけました。

手品師はさらにもう一度、同じトリックを演じた後、黒い紙が一枚しか残っていないことに気づき、種を説明してくれることになりました。でもその前に、今度は私が手品師の選んだカードを当てる羽目になったのです! 結局、どういうわけか私は彼のカードを当てることに成功しました!

手品師の説明によると、このマジックはありきたりのものではなく、スピリチュアルな性質のもので、人の「勘」が元になっていると言うのです。勘とは、人の体内に存在する DMT(ジメチルトリプタミン:自然界に存在する幻覚剤)という物質の働きによるものなのだそう。彼の説明によると、生物が誕生や死といった大きなストレス・変化を体験する際、この物質が分泌されるとのこと。

私は彼のマジックに度肝を抜かれたので、ここで別れてしまうのはもったいないと思い、名前を尋ねました。そうしたら彼は名刺を手渡してくれました。私はお金や名刺を携帯電話のケースに入れることを習慣にしているので、彼からもらった名刺もその中に入れておきました。

自宅に戻った後、この手品の種を知りたい一心で、インターネットで調べまくったのですが、結局そのような手品を見つけることはできませんでした。

ここから話はおかしくなっていきます。このできごとが起きてから一、二週間が経ったころ、うっかり携帯電話の上に水をこぼしてしまいました。携帯のケースに彼の名刺を入れてあったので、名刺がちょっと破損してしまいました。姉は「彼の名刺を台無しにしたから、魔法で仕返しされるわよ」と冗談を言いました。

その夜、姉と連れ立って映画を見にいくことにしました。映画館に行くためには、二台のバスに乗らなければなりません。最初のバスは三つ目の停留所で降りるので、少しの間乗っているだけです。そのバスに乗ったら、乗客はほとんどいませんでした。後方の出入り口から乗車し、そのあたりの席に腰かけました。

三つ目の停留所が近づいたので、降りるために腰を上げたら、真ん中の出入り口の近くにタバコの箱が落ちていることに気づきました。そのタバコは姉が愛用している銘柄だったので、それを拾い上げ、姉のものであるかどうか尋ねました。姉はポケットの中に手を突っ込んで調べたのですが、その中にあるはずのタバコがなかったので、確かにそれが自分のものであることを認めました。でも、私たちはバスに乗ってから、真ん中の出入り口には近づかなかったんです。だから姉のタバコがそこに行きつく可能性は極めて低かったのです。それに、私たちがバスに乗っている間、真ん中の出入り口を利用した乗客はいませんでした。

姉と一緒にバスから降りた私は、リュックからタバコを取り出して火をつけました。すると姉が「あんた、タバコの吸い過ぎよ!」とお説教を始めました。そこで私はタバコの箱の中を見せ、タバコが17本入っていることを示しました。つまり、その日は三本しか吸わなかったということです。

私はタバコの箱を閉め、ほとんど何も入っていないリュックにその箱を戻して、ベンチに腰を下ろしました。次のバスが来るまで30分待たなければなりません。手持無沙汰だったので、もう一本タバコを吸おうと思い、リュックからタバコの箱を取り出しました。驚いたことに、箱の中は空っぽでした。17本あったタバコがどこかに落ちたということはありえません。というのも、バスから降りた後、タバコの箱をリュックから取り出して以来、その場所から一歩たりとも移動していなかったからです。あたりを見回しましたが、タバコは一本もありませんでした。空の箱がリュックに入れてあったわけではありません。私たちはひどいショックを受けました。

それから一、二カ月後、またしても私はマジシャンの名刺にうっかり水をかけてしまいました。その日の午後、私は友達と自宅でたむろしていました。友達は携帯をいじくり、私はノートパソコンをやっていました。ある時点で、シャワーを浴びなければならなかったので、パソコンを膝の上からテーブルの上に移動するため、パソコンを持って立ち上がりました。その時、大量の水がどこからともなく降ってきて、パソコンの上にかかりました! その時、あたりにペットボトルやグラスなど、水が入った容器は一切ありませんでした。二人とも水がどこから降ってきたのか分からず、呆然とするばかりでした。

あの夜以来、マジシャンとは話をしていません。その後、彼の名刺を携帯のケースから取り出したのですが、それ以来、奇妙なできごとは起きていません。

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