これはあるアメリカ人男性の体験談です。

いとこと映画を見にいくのを楽しみにしていたのに、急病で行けなくなってしまった。ところが……

トム・ハンクス主演の映画『キャスト・アウェイ』(2000)が地元で公開された時、僕は公開初日にいとこたちと連れ立って映画館に行くことにしました。二週間前にチケットを予約しました。

ところが、公開初日の前日に、折悪しく病気になってしまったのです。二、三日の間ベッドで休んでいるよう医師から言いつけられました。しかも、その翌日、体調はさらに悪化しました。というわけで、映画館に行ける見込みはまったくなくなってしまいました。

僕はこの状況にひどく腹を立てました。どうしても行きたかったのです。映画を見たいというよりは、大好きないとこたちと時間を過ごしたかったのです。それで、一、二分、考えた末、とにかく行ってみることにしました。タクシーに乗って映画館まで行き、いとこたちを探しました。彼らは僕の姿を見て驚き、体調を気遣ってくれましたが、僕に会ったことを喜んでいました。

いとこたちから散々からかわれた後、僕たちは予約者用のカウンターに足を運んでチケットを手に入れ、スナックバーでポップコーンと飲み物を買いました。

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話をはしょりますが、映画が終わり、僕たちは「すごくよかった」と感想を語り合いながら、映画館を後にしました。

ロビーから足を踏み出した時、体温が急激に上がったので、家に帰ることにしました。いとこたちはコーヒーを飲むことになったので、その場で別れました。ところが、タクシーを呼んだ時、意識を失ってしまったのです。自分の体をコントロールすることができず、僕は路上に倒れました。その時、顔が地面に強く当たったのを感じました。

次の瞬間、僕は目を覚まし、ベッドの中で上半身を起こしました。毛布の下は汗でびしょ濡れになっていました。倒れた時に打った左の頬骨が痛みました。しかし、顔を打った時につきもののかすり傷やあざはありませんでした。

その時、僕は混乱していました。映画館に行った時のことを逐一鮮明に覚えていたのです。いとこたちがどんな服を着ていたか、どんな話をしたか、どんな冗談を言ったか、映画の筋、ポップコーンを巡っておふざけの喧嘩をしたことなど、何から何まで記憶にありました。

翌日の午後3時ごろ、二人のいとこが自宅を訪ねてきました。初めのうちは、僕の体調はどうかといった軽いおしゃべりを交わしたのですが、その後、話は奇妙な方向に進んでいきました。

「昨夜はお前たちと外出したくてたまらなかったから、映画館に行く夢を見ちゃった」と言ったら、二人は声を上げて笑いました。ちょっと自分が情けなかったけど、僕もこの話がおかしいと思いました。そんなわけで、夢の内容を二人に伝えました。話をするうちに、二人の顔に浮かんでいた微笑みが消え、恐れが入り混じった困惑した表情に変わっていきました。僕はそんな二人を無視して、話を続けました。

話を終え、「どうしたの?」と尋ねたら、二人はとんでもない話を始めました。

一昨日に僕が病気になり、チケットが一枚余ったので、彼らは遠縁のいとこに電話をかけ、映画に行きたいかどうか尋ねたのだそうです。彼は誘いに乗ることにしたのですが、みんなと一緒に行けないので、映画館で落ち合うことになりました。

ここから話はますます奇妙になっていきます。遠縁のいとこは、僕が昨夜夢の中で着ていた服を着ていたというのです。しかも彼は、僕が夢の中で言ったのと同じ冗談を言ったのだそうです。いとこたちは、遠縁のいとこの言動が彼らしくないので、怪訝(けげん)に思ったそうです。というのも、彼は神経質な性格で、僕たちと折り合いが悪いからです。

次に二人から「昨夜、俺たちがどんな服を着ていたか言ってみて」と頼まれたのですが、僕は二人の服装を正確に言い当てたことが判明しました。次に僕はダメ押し的に、二人がどのサイズのポップコーンを買ったのか、どの飲み物を注文したのか、みんながどの席に座ったのか、映画の筋はどういうものだったのか、上映中にみんながどんな言動をとったのか、といったことを伝えました。どれも図星でした。

映画が終了後、遠縁のいとこは気分が悪くなったので、すぐ帰宅することにしたのだそうです。そして彼はタクシーを呼んでいる最中に、歩道に倒れました。いとこたちはすぐに彼の元に駆けつけましたが、次の瞬間、遠縁のいとこは何もなかったかのように立ち上がりました。その後、彼の態度は豹変し、元の神経質な男に戻っていたと言います。とても奇妙なできごとでしたが、いとこたちは特に気に留めなかったのだそうです。

僕を見舞いに来てくれたいとこの一人は、こう言って話を結びました。「昨夜はあいつ(遠縁のいとこ)というより、お前と一緒に映画を見ているような感じだった。なぜそんな気分になったのか、訳が分かったよ」と。

あの夜、僕は鮮明夢を見たのでしょうか? それとも体外離脱体験をしたのでしょうか? そんなことは僕にとってどうでもいいことです。あれからおよそ15年が経ちましたが、いまだに昨日のことのように感じられます。

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