これはアメリカ人男性・ボブさんの体験談です。上の画像は、この話の舞台となった米アカディア公園・キャデラック山のものです。

夕焼けが美しいことで有名な観光地で、おかしなカップルに出会い、それから4年後に……

2006年のことです。当時、僕は大学生でした。快晴に恵まれた秋の週末に、メイン州のアカディア国立公園で親友とキャンプを楽しみました。この公園は海食と氷河作用が見られることで有名です。

最終日に僕たちは曲がりくねった道を運転してキャデラック山の頂上に向かいました。ここで壮大な日没を見たかったのです。山頂には100人ほどの人々が集まっていました。ここはアメリカ国内において、最も美しい日の入りを拝める場所の一つとして有名です。

僕たちは群衆から離れ、人けの少ない場所にキャンプを張ることにしました。うっとりしながら日没を眺め、キャノンの一眼レフカメラでお互いに写真を撮りあったり、胸のすくような風景をカメラに収めたりして、楽しいひと時を過ごしました。

太陽が沈む直前に、中年のカップルがやってきたので、二人に話しかけ、会話が始まりました。男性は僕が三脚を持っていることをなぜかうらやましく思ったようで、僕たちを横目で見ながら奥さんに向かって「三脚を持ってこなくて残念だったね、お前」と声をかけ、僕たちをこそばゆいような、うれしいような気分にしました。いくら控えめに言っても、その男性が個性的な人であったことは確かです。

男性が語った三脚に関するセリフは、僕たちの間だけで通用する冗談の種となり、頻繁に引用されるようになりました。

それから4年が経ち、僕は同じ友達と連れ立って、思い出の地・アカディア国立公園を再訪しました。二人とも、前回訪れて以来、この地を訪ねていませんでした。

最終日の夜に、僕たちはまたキャデラック山に上りました。4年前に出会った中年男性のセリフが二人の間で語り草になっていたので、当然のことのように、山頂に至るまでの車中で、その話題で盛り上がりました。

そんな中、頂上に到着し、駐車場に車を停めた次の瞬間、僕たちの車の真ん前に設けられた駐車スペースに SUV(スポーツ用多目的車)が入ってきました。

その車の中から4年前に会ったカップルが出てきた時、僕たちは驚き、唖然(あぜん)としました。4人とも、目を合わせた瞬間、お互いに相手が誰であるかに気づき、奇妙なことが起きたことを察したようです。

そのカップルに近づいて、4年前にここに来たかと尋ねたら、二人はそのことを確認した上、僕たちのことも覚えていると言いました。そして、中年カップルにとっても二度目の訪問であることを知らされました。

毎週、何千人もの観光客がここにやってくるのに、僕たちがここで再会を果たしたのは、奇遇以外の何物でもありません。単なる「偶然の一致」だったのかもしれませんが、名状しがたい不思議な気分に包まれたので、あれから歳月が流れたにもかかわらず、いまだにこのできごとに思いを馳せている自分がいます。

ちなみに、その男性は二度目に訪れた時も三脚を持参していませんでした!

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・先日「骨董市で会った老人」を投稿したものです。実はあの話には後日談があって、この再会のエピソードと同じように、1年後に同じ骨董市の同じ店でその方と再会しました。骨董市は300以上の店舗が集まり、3日間で三万人も訪れる大規模なものですが、たまたま立ち寄ったら驚いたことにその方が居合わせて、お店の人と一年前の不思議な出来事について話していたまさにその時に私がやってきたと驚いた顔で言われました。

りんごさん(2017年4月15日)

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