これはあるアメリカ人男性の体験談です。

あなたの頭、こんがらがらせます! 『銀河ヒッチハイク・ガイド』の著者が体験した奇妙キテレツなタイムループとは?

今、僕は趣味で小説を書いています。それは『銀河ヒッチハイク・ガイド』の第7巻(注参照)です。原稿はバインダーにとじて、ベッド脇のナイトテーブルの上に置いてあります。

注:『銀河ヒッチハイク・ガイド』はイギリスの作家だった故ダグラス・アダムズのSF小説。第5巻まで執筆されたが、6作目を執筆中にアダムズは他界した。アイルランドの作家であるオーエン・コルファーが、アダムズの遺族公認で6作目として『新 銀河ヒッチハイク・ガイド 上・下』を出版したが、これも未完に終わったので、このできごとの体験者は7作目の執筆に着手した次第。ちなみに彼は、アダムズが小説の中で唱えた「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問」に対する答えを割り出したと語っている。

ある日の夕方、仕事から帰ってきたら、ナイトテーブルの上に置いてあるはずの原稿が見当たりません。そのことについて妻に尋ねたら、ビックリ仰天し、混乱したような表情を見せました。

「2時間ほど前にあなたが帰ってきて、原稿を持って出ていったよ。でも、おかしいな。今朝、会社に行ったあなたはあごひげを生やしていたのに、さっき原稿を持って出ていった『あなた』はひげをきれいに剃っていた。そのことについて『あなた』に尋ねたら、『変なやつだな。今朝ひげを剃るのを見ていたじゃないか』と言っていたわ。でも今、あなたはまたひげを生やしている……。」

我が家では、外出する時はもちろんのこと、家にいる時ですらドアに鍵をかけることにしています。誰も錠の暗証番号を知らないし、僕と妻のほかに鍵を持っている人はいません。

要するに原稿をなくしてしまったのです。僕は不愉快千万でした。予備のコピーは作っていなかったし、パソコンにデジタル版を保存していたわけでもなかったからです。


それから数か月後に僕は就職の面接を受けることになりました。その日の朝、面接官の印象をよくするために、ひげをそりました。面接を受ける会社は自宅のすぐそばにありました。

というわけで、面接官と話をしている時、書棚に『銀河ヒッチハイク・ガイドの究極のガイド』があることに気づきました。その面接官は『銀河ヒッチハイク・ガイド』の大ファンだったのです。それで僕は面接官に気に入られるチャンスだと思い、7作目を執筆していることに言及しました。案の定、話は盛り上がり、面接官は『ぜひ原稿を読みたい』と言いました。

僕は事の顛末(てんまつ)を話し、原稿をなくしたことを伝えたのですが、その時ふと考えが浮かびました。原稿をなくした時、家の中を探し回ったのですが、探しそびれたところが一つあったのです。ひょっとしたらそこに原稿があるかもしれません。自宅はすぐ近くにあるので、ひとっ走りして原稿を探してくることにしました。

そんなわけで僕は走って自宅に戻りました。家に入ったら、妻は僕を見るなり、怪訝な表情で「なぜひげを剃ったの?」と尋ねました。僕は何も考えずに「変なやつだな。今朝ひげを剃ったのを見ていたじゃないか」と応えました。

僕は以前探しそびれたところや、その他いくつかの場所を探してみたのですが、原稿はありませんでした。ところが、寝室に行ったら、原稿をとじたバインダーが、あたかもずっとそこにあったかのように、ベッド脇のナイトテーブルの上に置いてあるではありませんか! 僕はそれをつかんで面接官の元に戻りました。

それから二時間後に帰宅しました。それまでの時点で、自分が非常に奇妙な体験をしたことに気づいていませんでした。妻に尋ねられて初めて、そのことに気づいたのです。

「面接はどうだった?」
「仕事をもらったし、原稿も見つかったよ。」
「原稿はどこにあったの?」
「ナイトテーブルの上に置いてあったよ。」
「じゃあ、寝室に入ってきた時、私を起こさなかったのね。今日は午後いっぱい昼寝をしたから。」

妻の話はつじつまが合いませんでした。原稿を探すために帰ってきた時、妻は皿を洗っている最中で、昼寝などしていなかったのです。

そういえば、もう一つ奇妙な点があります。その日、面接を受けるために家を出た時、家の中は掃除をしていなかったのでメチャメチャでした。原稿を探すために帰宅したら、きれいに掃除されており、妻は皿を洗っていました。それから二時間後に家に戻ったら、家の中はまたメチャメチャになっており、台所の流しには汚れた食器が山積みになっていたのです。そして妻は昼寝から目覚めたところでした。

今日に至るまで、このできごとを説明することができません。妻は、僕が手の込んだいたずらをしたのだと思い込んでいます。

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