これはあるアメリカ人女性の体験談です。

深い森の中を運転していったら、そこに見覚えのある教会が。しかし、その教会がここにあるのはおかしい……

15年前のことです。当時、私は20台初めでした。

家族でキャンプ旅行に出かけました。ドライブの途中で、父も私も乗馬をしたら楽しいんじゃないかと思い、道路標識に従って馬小屋に向かいました。

高速道路を離れ、一本道を運転していったら、ウエストバージニア州南部の深い森林地帯に入りました。

その道を数キロほど走ったところで、父が急ブレーキを踏み、車は白の小さなバプテスト教会の前で停まりました。父は少し震え上がっていました。

「あそこに教会が見えるだろ? 俺、あの教会に行ったことがあるんだ! でも、ここじゃなかった。」

父の言葉が私の注意を引いたことは疑いがありません。でも、このあたりの教会はどれも似たような作りになっています。尖塔に鐘が取り付けられていて、色は白、際立った特色があるわけではありません。

当時は復活祭のころだったので、芝生の敷かれた前庭に木製の大きな十字架が立てられており、そこに紫色の帯がかけられていました。教会は小高い丘の上に建っていて、そのかたわらには小さな墓地がありました。

私は父が別の教会と見間違えたのだと思い、笑いながらこう言いました。

「マジで? どこにあったの?」

私のからかうような態度にムッときた父は両手を空中に挙げながらこう大声を上げました。

「ケンタッキー東部の山頂だよ! 一週間に三度、教会の前に車を停めて昼飯を食べたんだ! 確かにあの教会だった。すべてが同じなんだ。でも、ここにあるのはおかしい!」

父はトラックの運転手で、アパラチア山脈に点在する炭鉱に部品を届けたり、機械を修理したりしていたのです。なので、運転中に休憩をとって、ランチを食べるのが常でした。

それに、父は鼻っ柱の強い皮肉屋で、驚くほど頭がよく、そのようなことを話す人ではありません。実際、父がこの種の話をしたのは、後にも先にもこの時だけでした。

ともかく、最終的に父は落ち着き、馬小屋まで運転していったのですが、そこでは一般人の乗馬を受け付けていませんでした。道は馬小屋のところで行き止まりになっていたので、元来た道を引き返すしかありませんでした。

ところが……帰りがけに教会はありませんでした。消滅してしまったのです。運転中に別の道に入ったということはありません。なぜなら一本道を運転してきたからです。それに、道の出口にはコンビニがありました。このコンビニのところで一本道に入ったのです。

私は気が動転したせいで汗びっしょりになっていました。父は車にガソリンを入れにいったので、私は料金を払うために店に入り、レジの男性に道を指さしながら教会のことを尋ねてみました。するとその男性は「お嬢さん、あの道を上っていったところに教会はありませんよ」と。

車に戻ったら、父はニヤニヤ笑いながら「俺の言ったとおりだろ? 教会はなかったんだ。」

あの日、何が起きたのか私には分かりません。私がこのできごとを明かしたのは、今年14歳になる長男だけ。父は時々この話を持ち出しますが、家族以外の人がいるところで話すことはありません。

コメントをどうぞ

お名前

メール(省略可)

あなたのサイト(省略可)

コメント

Powered by CGI RESCUE®

時間にまつわる不思議体験をしたことがありますか? お話を聞かせてください!