これはあるアメリカの男性の体験談です。

観光旅行を終え、帰りの飛行機に乗ったら、そこに奇妙な乗客が……

僕は1975年6月24日の夕方に米・ニューヨーク市で生まれました。

それから40年の月日が流れ、2015年に友達が誕生日プレゼントとしてニューオリンズの観光旅行に招待してくれました。誕生日前の数日間、ニューオリンズで楽しい時を過ごし、誕生日の昼下がりに、ニューヨーク行きの飛行機で帰途につきました。

ニューオリンズのルイ・アームストロング空港からニューヨークに飛行する間、特に変わったことは起きませんでした。というか、二つほど奇妙なことがありました。

一つは、通路を隔てて隣の席に腰かけている初老の男性が僕たちの方に視線をずっと向けていたことです。彼は穏やかな微笑みを絶え間なく浮かべていました。特に気味悪いとは思わなかったのですが、黙って僕たちの方を見つめ続けるというのは、かなり変なことだと思いました。

二番目の異変は、着陸態勢に入った時、飛行機がひどく揺れ始めたことです。僕は友達と顔を見合わせ、お互いに「まずい!」という表情を浮かべました。その際、初老の男性と思わず目が合ってしまいました。

彼は相変わらず微笑みを浮かべながら、僕の顔をじっと見つめていました。次に彼は座席から僕の方に身を乗り出し、穏やかな、しかし断固とした口調で「これはちゃんと着陸するから大丈夫ですよ」と言った後、視線を前に移しました。この間、彼の顔から微笑みが途切れることは一切ありませんでした。

その後も飛行機は激しく揺れ続けたのですが、最終的に無事着陸しました。パイロットが機内放送で「ウィンド・シア(急激な風速・風向の変動。風と風がぶつかる所に発生する。ここに航空機が入ると操縦が困難になる)に入ったので揺れが起きた」と説明しました。乗客全員が震えあがっており、彼らの恐怖をひしひしと感じ取ることができました。

頭上の荷物入れから手荷物を取り出す間、初老の男性に目をやらないよう気をつけました。でも、彼が僕を凝視しているのは明らかでした。僕は友達と一緒にそそくさと航空機を後にしました。降りる間、おしゃべりをしている人は皆無でした。どの人も恐怖感を振り払うことができなかったのです。

さて、これから話は不気味になっていきます。昨年、僕は航空事故に関する記事によく目を通しました。あの日の恐怖体験が忘れられず、航空事故のことで頭がいっぱいだったのです。

そんなある日、イースタン航空66便に関する記事が目に留まりました。この旅客機は、1975年6月24日にニューオリンズからニューヨークの JF ケネディ空港に向かって飛び立ったのです。機体は着陸時に猛烈なウィンド・シアに捕らわれ、墜落して113名の命が奪われました。それは僕が生まれる数時間前のことでした。それからきっかり40年後に、僕は機上の人となりました。穏やかな微笑みを絶やすことのない男が乗る飛行機に……。

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