これはスウェーデンの女性・オリビアさんの体験談です。

晩秋の夜、人里離れた山中の家の扉を突然誰かがノック! 扉の外にいるのは誰?

これはおよそ10年前の晩秋に起きたできごとです。当時、私は大学の卒論を書かなければならなかったので、静かな環境に身を置きたいと思っていました。そこで、親友であるチャーリーの実家に泊まらせてもらうことにしました。

その家は築150〜180年の木造建てで、人里離れたスウェーデン北部の山中にありました。家の周辺には川と深い森がありました。本当に孤立しており、隣家までは20キロメートルぐらいの距離がありました。でも、その家でさえ夏の別荘として使われていたので、空き家だったのです。

ある晩のことです。私は暖炉のそばにチャーリーと座って、ラジオを聞きながらおしゃべりに興じていました。ラジオというのは、その家にテレビがなかったからです。

時計が10時を指し、そろそろ床に就く準備を始めようかと思っていた時、不意に誰かが玄関の扉をノックしたので、私たちは驚き、ショックを受けました。前述したように、このあたりは人っ子一人いない辺境の地なので、人が訪ねてくるようなことはまずないのです。私は二、三度この家に滞在したことがあるのですが、その間に訪問者は皆無でした。

家の外には街灯もなければ屋外灯もないので真っ暗。チャーリーは用心して野球のバットを取り上げました。玄関のところまで足を運び、窓ガラスを通して恐る恐る外を見たら、そこには男が立っていました。私たちは扉を開けるか開けないか思案した末、思い切って開けてみることにしました。

扉を開けたら、そこには若者が立っていました。若者といっても年齢を特定することは難しく、15歳にも見えれば、35歳にも見えました。肌は透き通るように白く、痩せこけて、何か月も食べていないような印象を受けました。用件は何か尋ねたのですが、一言も発することなく、しきりに私の腕を指さすのです。ひょっとして時間を知りたいのかと思い、掛け時計を見て時刻を伝えたのですが、応答はありません。深刻な表情を浮かべ、ストレスを受けているように見えました。

私はスウェーデン語、英語、フランス語と、知っている限りの言葉で話しかけたのですが、彼は無言を保つだけ。挙句の果てに身振り手振りで意志疎通を図ったのですが、男は微動だにしません。やがて彼は後ろを向き、道路の方にトボトボ歩いていきました。

私たちは扉を閉じ、顔を見合わせました。窓ガラスを通して外を見たら、彼は冷たい月光に照らされながら道路の真ん中に立ち、森の方を見つめていました。

私たちは怖さ半分、心配半分で、複雑な心境でした。というのも、本当に具合が悪いように見えたからです。そこでチャーリーが外に出て、もう一度コンタクトを試みることになりました。私は、事態が悪化した時すぐ電話できるよう携帯電話を手にし、外の屋根付き玄関のところに立って、様子を見守ることにしました。

男はゆっくりした足取りで森の方に歩き始めました。チャーリーは躊躇(ちゅうちょ)し、芝生の真ん中で足を止め、振り返って、私たちは顔を見合わせました。数秒後に視線を道路の方に戻したら、彼はもはや消え失せ、影も形もありませんでした! 私たちが視線を外した、わずか数秒の間に、走って森に入ることは不可能でした。どの道、森の地面には下ばえが生い茂り、人の侵入を拒んでいたのです。

これは私たちが体験したできごとの中で最も奇妙なものです。彼が誰だったのか、あるいは「何」だったのか、私たちには分かりません。人間離れした雰囲気を漂わせていたことは確かです。スウェーデンの民話で語り継がれる森の生き物、ヴェッタネッケンではないかとチャーリーと話し合いました。でも、結局彼が一体何者だったのか、いまだに答えを出すことができません。


いかがでしたか? 彼は一体何者だったのでしょう? あなたの意見をお聞かせください!

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