これは日本の女性・りんごさんの体験談です。

昭和の時代を揺るがせた三億円事件。この事件の犯人を知っているという男に出会い……

1968年にあった三億円事件。それにまつわる不思議な経験をしました。もう20年も前になりますが、私はT市に住む祖母を見舞いにバイクで関西から東京に向かっていました。途中、山梨県のとあるYHに宿泊しました。そこは夕食の提供はなく、同室の旅行者も香港人であまり会話も進まず、買ってきた夕食を一人で食べ、ロビーで休んでいました。

その時、50代くらいの男性に声をかけられたのです。その人は荷物を積んだワゴン車で来ていた会社員風の人でした。なぜYHを利用しているのか、少し違和感を感じながらも、私は当時大型バイクに乗っていたので、バイク好きなのかと、昔のオートバイ話などに興じていたら、そのうち唐突に不思議なことを言い出したのです。

「三億円事件を知っているか?」

もちろん事件は知ってはいましたが、当時のリアルな状況などは知る由もなく、そのままその男性が語り出したのは以下のようなことでした。

当時その男性はT市に住み、N社の車のディーラーをしていたそうです。T市には当時不良グループがあってその男性はグループの一員ではなかったものの、たまり場の繁華街に出入りして遊び歩き、職業柄つながりもあったというのです。事件が起こる前にある知り合いが、車を補修したいので白の塗料を分けてくれと連絡があり、断った。そのあと事件が起こり、男性の所にも何度も警察が来たが、その話はしなかった。なぜなら報道に出なかったある事実を知っていたからだ。その知り合いは事件の少し前に家を増築し、その際盛り土を持ってきたのが、犯行に使われたケースに付着していた泥の土壌だとされた場所であることを知っていた。今でも彼が犯人の一人だと確信していると。

あまりにも話が飛躍しているので、どうリアクションをしたらいいのか戸惑いました。しかし、次に男性が話した事柄に驚愕したのです。その犯人らしき人物の家は南部線N駅近くの踏切の南側で、なぜそれを知っているのかというと、そのすぐそばのY寿司の大将と共通の遊び友達で、その家の前を通り、しょっちゅう店に通っていたからだと。そのあと寿司屋の話になり、当時知り合いの女学生の恋のさや当てなどして親しくしていたというのです。

これには心底驚きました。なぜなら、男性のいう寿司屋の大将というのは私の叔父で、私は明日その叔父の家に泊まる予定にしていたからです。叔父について男性の語ったことは身内である私が知る事実とピタリと符合していました。私はT市に行くことは全く話題にしていませんでしたし、ましてや叔父のことなど身内以外に話したこともありません。寿司屋も私の幼い頃にはすでに閉めており、Y寿司の名前を今見つける事はできません。翌日早朝にはもう男性の車はありませんでした。

あとから叔父にその男性のことを聞いてみたのですが、覚えていないようでした。振り返れば、その男性は自分が何者か、現在何をしているのかについては何も語っていませんでした。なぜ私に声をかけ、そんな話をしたのかという事が今でもふと気になります。

戦後の空気がまだ残る昭和の混沌とした時代を感じた経験でした。

コメントをどうぞ

お名前

メール(省略可)

あなたのサイト(省略可)

コメント

Powered by CGI RESCUE®

時間にまつわる不思議体験をしたことがありますか? お話を聞かせてください!