これはアメリカ・バーモント州に在住の女性、スーさんの体験談です。

夜間、女性が高速道路をドライブ中に車が動かなくなった。困っていた彼女を助けた人とは……?

このできごとは1980年代に起きました。当時、私は大学から卒業したばかりで、母や妹とともに実家に住んでいました。これから何をしたらいいのか分からなかったので、大学の夜間クラスを受けることにしました。家から車で1時間ぐらい走ったところに大学町・バーリングトン(下の画像参照)があるんです。


"Burlington Vermont - City Hall - Chittenden County" by Onasill ~ Bill is licensed under CC BY-NC-SA 2.0.

時は11月。寒くて暗い夜でした。授業が終わり、州間ハイウェイを通って家路についている最中、車の調子がおかしくなりました。路側帯に停車したら、それっきり動かなくなりました。眼下には土手があり、高速道路に並行して別の道が通っていました。高速を走っていると、時おりその道が目に入るのですが、そちらに抜けることはできません。というのも、道と道の間にたくさんの大岩や木々があるからです。川が流れているところさえあります。

私がたまたま停車したところが、唯一、下の道に抜けられる場所だったんです。それってちょっと奇妙なことですよね。そんな中、下の方に灯りが見えたので、こう思いました。

「暗闇の中に座って救助者が現れるのをじっと待っていても始まらない。灯りの見えるところまで行ってみよう。人家だったらその家の人が助けてくれるかもしれない。あるいは電話を使わせてくれるかもしれない。」

当時はまだ携帯電話が普及していなかったんです。

私は生まれつき人を簡単に信用するタイプではありません。寒くて、暗くて、懐中電灯もなかったけれど、とにかく行動しなければならないと思ったんです。スカートとハイヒール姿だったのですが、ガードレールをまたぎ、低木や岩が散在する土手を慎重に降りていきました。やっとのことで下に降りたら、ガソリンスタンド 兼 自動車修理工場から灯りが漏れていることが分かり、「わー、なんてラッキー!」って思いました。

ガソリンスタンドの中に入っていったら、青年がカウンターの後ろに立っていました。「あそこに車が見えますよね? あの車が故障して動かなくなっちゃったんです。助けてくださいませんか?」と頼んだら、青年は壁時計を指さしながら「うちは閉店時間が8時なんです」と言いました。時計は8時5分前を指していました。「ということは……?」と心の中で思った時、彼はこう付け加えました。「でもこの店のオーナーが隣に住んでいるので、助けてくれるかもしれません。」

青年は誰にも声をかけませんでした。なのに突然、機械工の制服を着た別の男性が現われました。年のころは40代から50代初めに見えました。

「どうしました?」
「あそこに停めてある車が動かなくなっちゃったんです。」
「じゃあ僕のトラックに乗って上までいってみましょう。」

前にも言ったように、私はとても疑り深い性格なんです。でも、この人とトラックに乗ることには一切ためらいを感じませんでした。アクセス道を通って高速に入り、私の車が停めてあるところまでやってきた彼は、車を点検してからこう言いました。

「あいにく今夜は修理できません。お宅の近くに自動車修理工場があるのなら、牽引していきますが?」
「ありますが、ここから65qくらい離れています。」
「大丈夫ですよ。」

というわけで、トラックに私の車をつないで工場まで牽引してくれたんです。この間、とても穏やな気持ちで、安心感がありました。見知らぬ人の車に乗り、道中私の人生についていろいろ聞かれたのに、疑念をまったく感じなかったんです。親切で優しく、父親のような人でした。

工場に到着後、彼はどうすればいいのかを指導してくれました。上から目線で話をしたわけではありません。書類の記入の仕方だとか、工場の人に伝えるべき点などを懇切丁寧に教えてくれたんです。私は彼の指示に一字一句従いました。工場に車を預けた後、彼はこう言いました。

「今度はあなたを家まで送っていかなければなりませんね。」
「ここから20分ほどかかるのですが。」

彼は快諾し、トラックのエンジンをかけました。自宅に到着後……

「どうやって料金をお支払いすればいいでしょう?ハンドバッグの中に現金は数ドルしかありません。小切手帳ならありますが……。」
「じゃあ20ドル(約3,000円)いただきます。」

80年代でさえ、あれだけの仕事をして20ドルは破格の料金でした。小切手を書いて渡したら、彼にこう言われたことをハッキリ覚えています。

「家に入ったら、問題はないとご家族に伝えてください。今夜起きたことを洗いざらい話して、万事順調だと伝えてください。全てうまくいっていると。」

私は「分かりました。そうします」と応えて下車、彼は去っていきました。私は家に入り、家族に一部始終を説明しました。

翌日は母と妹と一緒にバーリングトンに買い物にいく予定を立てていました。同じ道を通るので、2人を例のガソリンスタンドにつれていくことにしました。あの場所をぜひ見てもらいたいと思ったのです。

ところが、現地に着いたら店は板張りになっていました! 板には落書きがされ、長期にわたって放棄されているように見えました。

「信じられない! 本当にここだったのよ! 昨夜ここに来てから24時間も経っていないのに!」
「本当に? 場所を間違えてるんじゃないの?」
「この道にある修理工場はここだけなの。街に行けば別だけど。」
「ふうん……」

今もなお私はこのできごとを説明することができません。いくつかの可能性があると思います。過去にタイムスリップしたのでしょうか? ただ、男性のトラックは昔の車種のようには見えませんでした。それとも代替現実(並行世界)を訪れたのでしょうか……?

私はこれ以外にも何度か危ない状況に囚われたことがあるのですが、そのたびに見えない存在に助けられたかのように窮地を脱しました。ひょっとしたら私の守護天使が助けてくれたのかもしれません。というのも、あの男性と一緒にいる間、ひたすら安らかな気持ちになったからです。あるいは亡き父が助けてくれたのかもしれません。私は15歳の時に父を亡くしたのですが、それ以来いつも見守ってくれているような気がするんです。

ちなみに、20ドルの小切手は換金されませんでした。

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