20世紀初頭にタイムスリップ?

過去のモノを現代に持ち帰るとどうなる?

これはイギリスの男性・スクイレルさんの体験談です。

スクイレル氏はコインの収集を趣味にしていました。1973年のある日、彼はコインを保存するための小さなビニール袋を買うため、グレイト・ヤーマス(イングランド東部地域のノーフォーク州にある海岸沿いの町)の店を訪ねました。ところが、店に近づいたとたん、あたりの様子が一変。道が石畳になり、車の騒音が聞こえなくなったのです。

店の内部は古めかしい感じで、長いドレスを着た女性が店番をしていました。スクイレル氏の質問に対してその女性は、「小さな袋は売っていますが、コイン収集家がその袋を使うという話は聞いたことがありません」と答えました。

それでも女性は袋を売ることに同意。売値は驚くほど安い1シリング。シリングは英国で廃止になった貨幣単位で、旧制度では12ペンス(約30円)に相当、新制度では5ペンス(約12円)として1991年3月まで通用しました。そこでスクイレル氏は値段が5ペンスだと解釈し、女性に5ペンス銀貨を渡して店を後にしました。女性は食い入るようにコインを見つめていました。

ビニール袋が入っていた紙の袋は数日も経たないうちに粉々に。ビニール袋はすぐ茶色に変色しましたが、元の形を保っていました。

3週間後、追加のビニール袋を買うため店を訪れたところ、石畳の道はなく、店の内装はモダンに改装されていました。3週間前に会った女性の店員がいなかったので、店主(年配の女性)に尋ねたところ、「当店では他の店員を雇っておりません」との答えが返ってきました。


これはジョーン・フォアマン著『時間の仮面』に記されている話です。著者は、スクイレル氏に面会した際、購入したビニール袋を1枚もらい受けたそうです。フォアマン氏が袋の製造会社に問い合わせの手紙を送ったところ、こんな回答が返ってきました。「この袋は15年前に製造が終わっています。」