カン・フューリー

1985年のアメリカ・マイアミ。武芸に秀でた最強の警官、カン・フューリーの友達が、危険きわまりないカンフーの達人、アドルフ・ヒットラーに殺される。そこでカン・フューリーは、ナチスが支配していたころのドイツにタイムトラベルし、ヒットラーを殺すことを決意する。

80年代のポップカルチャーにオマージュを捧げた、遊び心たっぷりのハチャメチャムービー　

スウェーデンのＶＦＸアーティストであり、ミュージックビデオの監督でもあるデイヴィッド・サンドバーグが、ＴＶシリーズ『マイアミ・バイス』や、ジャン・クロード・ヴァンダムのアクション映画といった80年代の人気作品に、目からレーザー光線を発射する恐竜、昔懐かしいゲームセンターのゲーム、いかれたＳＦ、ナチスの陰謀、雷神ソーなどをごちゃ混ぜにして作り上げた、しっちゃかめっちゃかでエネルギッシュな怪作。

キックスターター（インターネットなどを通じて不特定多数の支持者から少しずつ資金を集めるクラウド・ファンディングのサイト）で打ち上げたキャンペーンでは、17,000人から68万ドルを集めることに成功、31分の短編映画が完成しました。

80年代のＶＨＳの雰囲気を再現しており、ビデオカセット特有の映像の乱れがわざと取り入れられています。ただし、映像そのものはＶＨＳのぼやけたものではなく、鮮明な高画質になっています。

主演のデイヴィッド・サンドバーグを筆頭に、出演者全員が大真面目な顔でクサいセリフを語り、開き直った演技を見せて、大いに笑わせてくれます。

カンヌ映画祭では、不参加作品として海岸で上映されることが予想されていたが、同映画祭のインディー（独立）系作品部門で上映されるという栄誉を獲得しました。