サーシャ・ダワン「マスターを演じることは大きなプレッシャー」

2021年7月1日


© BBC

イギリスのTVシリーズ『ドクター・フー』シリーズ12に、生まれ変わった新しいマスターが登場しました。この大役に抜擢されたのは、南アジア系イギリス人の俳優であるサーシャ・ダワンです。

サーシャさんは、ドクターの宿敵・マスターの役を得た時、意外なことに喜びというより悲しみを感じたといいます。

「僕のエージェントは有頂天になっていました。BBC(英国放送協会)も有頂天になっていました。僕はというと、受話器を置いて、この上ない悲しみを感じていました。」

「僕はマスターを演じる最初の南アジア系イギリス人俳優ということになります。ということは、『ドクター・フー』の世界だけでなく、南アジア系グループも代表するということです。もし僕が失敗したら、南アジア系俳優は二度とこの役をもらえないでしょう。」


© BBC

サーシャさんは、この役をもらったことで精神的健康に大きな負担がかかったとして、次のようにコメントしています。

「この稼業で一番悲しいことは、俳優が不安を抱いていても、誰にもそのことを知らせられないということです。なぜなら、撮影現場では自信満々のようにふるまわなければならないからです。」

「トレーラー(撮影現場で俳優に与えられる移動住宅)の中で昼食を抜いても、誰もそのことを知りません。なぜ昼食を抜いたかというと、不安のスイッチを切りたくて仮眠をとっていたからです。撮影に入る前に『演技をキメられないかもしれない』と心を痛めたことはトラウマ(心の傷)になりました。」

「南アジア系イギリス人であるというだけで、プレッシャーがかかってくるのです。それは自分自身のためだけではなく、南アジア系グループのために成功しなければならないというプレッシャーです。自分の成功はみんなの成功に通じるが、失敗したらそれはみんなの失敗になるということです。もうこんな考え方はやめるべきです。自信をもってリスクをとれるようにならなければなりません。」

web拍手 by FC2