1989年に『ドクター・フー』がお休み期間に入って以来、
フィリップ・シーガルは『ドクター・フー』を製作する権利を獲得するために活動を続けていました。
1995年、彼は BBC とアメリカのフォックス・ネットワークの間で協力関係を築くことに成功、2時間のTV映画が製作されることになりました。この番組が高い視聴率を記録したら、『ドクター・フー』はシリーズ化されることになっていました。
『ドクター・フー:ザ・ムービー』はアメリカのフォックス・ネットワークで1996年の5月14日に、そしてイギリスの BBC で5月27日に放送されました。
残念ながら、イギリス国内での視聴率はよかったものの、アメリカでの視聴率は思わしいものではありませんでした。折しも5月はアメリカの放送局の間で「視聴率調査期間」に当たりました。その慌ただしさの中で、フォックスは『ドクター・フー』をシリーズ化することを見送りました。
ユニバーサル・ピクチャーズは1997年末まで『ドクター・フー』のドラマ化権を保持していたものの、それまでの間に他の放送局を見つけることができず、シリーズ化の話はお蔵入りになりました。
それから数年に渡り『ドクター・フー』は休閑期に入りましたが、2003年の9月に番組復興の種がまかれることになります。
ドクターの仇敵・マスターは惑星スカロでダーレクに攻撃され、息絶えた。彼は生まれ変わるためのエネルギーを使い果たしてしまったのだ。死ぬ前に、マスターは自分の亡きがらを故郷の惑星・ギャリフレイに埋葬してほしいと、7代目ドクターに頼んだ。
しかし、マスターは遺骨となっても、完全に死んでいなかった。彼はターディスを誤作動させ、1999年のサンフランシスコに不時着させた。時は大晦日で、当地は21世紀を迎える準備で沸いていた。
ターディスから出てきたドクターは、地元のギャング団の闘争に巻き込まれ、流れ弾に当たって、病院に運ばれた。彼は手術中に死亡したかのように見えたのだが、死体安置所で生まれ変わり、8代目ドクターになった。
一方、マスターの霊は救急車の乗組員・ブルース(エリック・ロバーツ)の体に乗り移った。マスターはチャン・リーという名のギャングを丸めこんで、彼を手下にすることに成功した。
マスターの目的は、ドクターのターディスに侵入して、ターディスとリンクしている「アイ・オブ・ハーモニー(the Eye of Harmony=タイムロードの動力源)」を開けることだった。それによって、マスターはドクターの体を我がものにすることができる。
マスターは「アイ・オブ・ハーモニー」を開けることに成功するが、それによって地球の分子構造が朽ち始める。
ドクターは、心臓専門医であるグレース・ホロウェイの助けを借りて、新世紀が明ける前に、地球と自分自身を救わなければならない。
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