ラザラス・プロジェクト

制作国: イギリス
制作: Sky
出演者: パーパ・エシデュ、アンジュリ・モヒンドラ、ルディ・ダルマリンガム
エピソード数: シーズン1全8話
1話あたりの時間: 約45分
配信開始日(イギリス): 2022年6月16日
配信開始日(日本): 不明

あらすじ

アプリ開発者のジョージ(パーパ・エシデュ)は、イギリスの秘密組織「ラザラス・プロジェクト」にリクルートされる。大量絶滅を伴う地球規模の大事件が発生した時、時間を操作する特殊装置によって世界を過去に戻し、事件発生を防止するのがこの組織の目的であった。

予告編

レビュー

まさかの展開に驚愕! 時間SFに新機軸を打ち出した! 

シーズン1全8話を視聴しました。あらすじを読むと映画『テネット』を連想するかもしれません。確かに話の前提は似ているが、『テネット』とはまったく異なる展開を見せます。「一話完結もの」ではなく、シリーズ全体を通して一連のストーリーを語る「つづきもの」となっています。

ドラマの中で、核戦争など大量絶滅を伴う大事件が発生したら、特殊な装置によって世界全体を特定の日付・時間まで戻し、諜報員たちが事件発生を阻止するための作戦を実行するという設定になっています。ただし戻れるのは一年以内に限られます。事件が回避されるまで何度も何度も同じタイムラインが繰り返されます。いわば人工的にタイムループが作り出されるということ。初めは政治交渉など平和的解決を試みるが、それがうまくいかなかったら関係者の暗殺といった過激な手段に訴えることになります。

一般の人々は時間が巻き戻されたことに気づかないが、一部の人は帳消しになったタイムラインを記憶する特殊能力を持っている。そんな能力の持ち主がこの組織にリクルートされるわけです。しかし、複数のタイムラインを記憶することによって、諜報員に大きな精神的負担がかかる。そのことがこの物語の軸になっています。

正直言って第1話は、ありきたりのタイムループものという印象を受けたので、あまり面白いと感じなかった。しかし、第2話から徐々に面白くなっていき、物語にぐいぐい引き込まれることに(ネタバレを避けるため詳しい説明は控えますが、まさかの展開に驚かされました)。スケールのでかい高予算のドラマであり、スパイファイ(スパイものとSFの融合)的な側面や、カーチェイスなどの派手なアクション、恋愛の要素、皮肉を込めたユーモアも取り入れられており、娯楽性に富んでいる。

第一話の中で呼吸器系の伝染病が大流行するという設定になっています。これは明らかにコロナのパロディだろうと思っていたら、あにはからんや、創案者ジョー・バートン氏の話によると、なんと脚本を執筆したのはコロナが流行る前だったそう! さらに同氏はロシアとウクライナのいざこざをストーリーに取り入れたのですが、その後、実際に両国間で紛争が起きてしまったので、このネタは廃止にされたそうです!

ドクター・フー』のスピンオフ『サラ・ジェーン・アドベンチャーズ』で少女ラニを演じたアンジュリ・モヒンドラが本作ではタフなヒロインを演じています。そして、もう一人、アフリカ系の女優が重要な役を演じているのですが、彼女の顔、どこかで見たことがあると思っていたら、『ドクター・フー』シリーズ11のエピソード『世界が変わる日』で人種差別撤廃に貢献した女性・ローザを演じた俳優(ヴィネット・ロビンソン)でした。ローザは感情を抑えた冷静な女性だったが、こちらでは真逆とも言えるような役を演じています。