これはアメリカの男性、ダニエルさんの体験談です。
最初に言っておきますが、普段の僕はとても疑り深く、幽霊話や超常現象の類をたやすく信じるタイプではありません。
僕の名前はダニエルです。毎朝、目覚めた後、シャワーを浴び、コーヒーを淹れ、幼い娘を起こして学校に連れていくことを日課にしています。
今朝、目覚ましは午前6時に鳴りました。シャワーを浴び、コーヒーを飲んだ後、娘に服を着せて学校に連れていきました。
僕は大学生なので、普通だったらこの後、僕自身も学校に行くのですが、この日はたまたま授業がなかったので、自宅のソファに寝っ転がってテレビでも見ることにしました。
横たわっている間にウトウトしてしまったに違いありません。驚いたことに、次に目覚めた時、時刻は午前6時で、目覚ましが鳴っていました。
混乱しきった状態でベッドの中で身を起こしました。すでに朝の日課を終えた記憶が鮮やかに残っていたからです。
ベッドから飛び出て、ビクビクしながら娘の部屋を覗きました。娘はベッドでスヤスヤと眠っていました。
シャワーを浴びたこと、娘を学校に送る車中でラジオを聞いたこと、学校に到着し娘の頬にキスをして送り出したこと……それらの記憶が強く残っていたので、空恐ろしくなりました。
普通だったら、明晰夢を見たのだろう、というような言い訳で片づけていたはず。でも、あれは決して明晰夢ではありませんでした。
明晰夢とは、夢を見ている最中に「これは夢だ」と自覚し、時には夢の内容を自分でコントロールできる状態のことです。夢の中で空を飛んだり、空想のキャラクターに会ったりすることもでき、訓練次第で多くの人が見ることが可能になります。
奇妙なことに、二度目に起きてから台所に行ったら、コーヒーが淹れてあり、しかもそれはまだ温かったのです。ところが、一つしかない自分のコーヒーカップはきれいな状態で戸棚の中に入っていました。浴室のバスタオルは少し前にシャワーを浴びたかのように湿っていました。
一度目も二度目も、娘は同じ言動をとりました。ベッドから出た後、同じ服を選び、「今日は体育館に行ってサッカーをするの」と言いました。そして娘は同じボウルで同じ朝食シリアルを食べました。車で娘を学校に送っていった時の状況もまったく変わりはありませんでした。娘は二度とも車中で「リーラをお家に呼んでもいい?」と尋ねたんです(リーラというのは隣家に住む同い年の少女です)。
今、僕は自宅に戻っており、帰宅してからしばらく経ちますが、ソファに横たわることが怖いです。今朝、僕に何が起きたのでしょう……?