
原題:The Villa
監督:ジョン・ニューランド
脚本: マーウィン・ジェラード
出演者:エリザベス・セラーズ、ジェフリー・トゥーン、マイケル・クロフォード
時間: 約30分
放映日:1961年6月6日(米ABCネットワーク)
あらすじ
仕事でイタリア・ミラノにやってきたイギリス人カップルがパーティーに出席する。会場にいた若い医学生トニーは、妻メアリー・ロウに、ストロボライトの実験に参加しないかと誘いかける。ストロボを目に当てることでトランス状態に入ったメアリーは、見知らぬ別荘でエレベーターに閉じ込められた人の気配を感じ、パニックに陥る。
この解説にはネタバレが含まれています。未見の方はエピソードを視聴してからお読みください。
このエピソード『エレベーターのある館』は、にっちもさっちもいかない恐怖を扱っているという点で、『世にも不思議な物語』の中でも異例の作品といえるでしょう。このシリーズでドラマ化された「本当にあった話」は、視聴者にスリルと恐怖を提供しながらも、どこかに希望を感じさせる話が多いですが、『エレベーターのある館』の場合、夫婦関係は破綻し、妻は極度の精神的ストレスで入院、夫はエレベーターに閉じ込められ死を迎えるという、救いのない展開になります。
映画『エイリアン』の宣伝文句に「宇宙であなたの叫び声は誰にも聞こえない」というものがありましたが、何も宇宙に行かなくても、叫び声が聞こえない場所はそこら中にあるということですね。しかも半年も遺体が見つからなかったというのは、想像するだけでも恐ろしい。
ストロボライトには精神を変容させトランス状態を引き起こす働きがあるようで、『世にも不思議な物語』の他のエピソード(『サイコメトラー Part1 & Part2』『聖なるマッシュルーム(日本未公開?)』でもストロボが使われています。60年代に流行ったようですが、最近聞かないような? 1998年にポケモンのエピソードで使われたフラッシュが、何人かの子供に発作症状を引き起こし社会問題になったので、その使用が控えられるようになったのでしょうか?