

1969年から1972年にかけて、アンドリューさんは、エイブラハム・リンカーン元大統領の暗殺現場を見るために、1865年4月14日のフォード劇場に6回タイムトラベルしたといいます。
1865年4月14日、リンカーンは、妻および従者とともに、フォード劇場で観劇中、北軍のメリーランド州出身の俳優ジョン・ウィルクス・ブースに1.2mの至近距離から拳銃で銃撃されました。リンカーンは昏睡状態に陥り、1865年4月15日午前7時22分に死亡が宣告されました。
当時7歳だったアンドリューさんは、この任務のために特別に用意された当時の衣服に身を固め、現場に向かいました。当日、劇場の戸口にはテーブルが設置されており、そこに二人の男が座り、観客から入場券を受け取っていた、と歴史的文献に記されています。
でも、アンドリューさんは入場券を持っていませんでした。どうやって劇場に入ったのでしょう? アンドリューさんは二人の男にこう伝えるよう、担当者から指示されたといいます。「両親が先に劇場に入っています。僕の入場券は両親がすでに手渡しています」と。二人の男はその説明に疑いを抱くことなく、軽く手を振って入場することを許してくれたといいます。
リンカーンと奥さんはバルコニーのボックス席に座っていました。アンドリューさんはそのボックス席に何度も接近を試みたのですが、その目的を達することは決してできませんでした。最初に近づこうとした時は守衛に追い返されました。二度目の時は、ボックス席に通じる扉に錠がかけられていました。リンカーン夫妻に接近しようとするたびに、いつも何らかの形で阻止されたのです。
このように、タイムトラベルするたびに状況は微妙に異なっていました。ボックス席に通じる戸口に守衛が立っていたこともあれば、立っていなかったこともありました。劇場に足を踏み入れた時、リンカーン夫妻がロビーを歩いていたこともあれば、歩いていなかったこともありました。同じ日時の同じ場所に行ったのに、なぜ毎回状況が変わっていたのでしょう? アンドリューさんは「多次元宇宙説」によって、そのことを説明できると語っています。
長らく物理学者は、私たちの住む世界が単一の宇宙ではなく、無数の並行世界によって構成されている、との説を唱えています。つまり、アンドリューさんが1865年のフォード劇場にタイムトラベルするたびに、彼は異なる時間軸に到着したということです。
結局、アンドリューさんは暗殺現場を目撃することができませんでした。しかし、銃撃音とその後に続いた騒動は耳にしたそうです。
なぜプロジェクト・ペガサスの関係者はリンカーンの暗殺にここまで興味を持っていたのでしょう? アンドリューさんの話によると、彼らは文献に残されている歴史的記述に疑問を抱いていたのだそうです。ジョン・ウィルクス・ブースが本当に暗殺者だったのかどうかを確かめたかったのです。もし暗殺が内部の者の犯行だったのなら、この事件以来、米政府は不法に乗っ取られたことになります。なんとリンカーン夫人が引き金を引いた可能性さえ考慮されていたそうです! とにかく彼らは真相を知りたかったのです。