アメリカ・ウエストバージニア州のセニカ・ロックス町は人口700人足らずの小さな町ですが、この付近で「時間のひずみ」現象が起きていることが報告されています。このページでは、トラック運転手の不思議体験談を二つご紹介します。
最初の話は前ページの話『異世界へのドライブ』とかなり共通点があるので、読み比べてみてください。
セニカ・ロックスは巨大な岩山の絶景で有名です。
ベテランのトラック運転手であるレイキン・ユーバンク・ジュニアさんは、長さ18メートルのトラクタートレーラーに材木を積み、セニカ・ロックスに向かって走っていました。
この話は、聞き慣れない地名がいろいろ出てきて理解しづらいので、地図を用意してみました。
国道55号線を走っていたレイキンさんは、何かがおかしいことに気づきました。長時間に渡り走っているのに、ぜんぜん目的地に到着しないのです。ベイカー町からムアフィールド町までは車で30分の距離なのですが、時計を見たら、なんと3時間以上が経過していることが判明しました。しかも、彼はもはや国道55号線を走っていませんでした。知らず知らずのうちに道を間違えたようです。
地図を見たら、いつの間にか道を逆戻りしていることが判明。でも、そのまま走っていけば目的地に通じる道に入れるので、運転を続行することに。
ところが、何かがおかしいのです。走れば走るほど状況は奇妙になっていきました。道は異常になめらかで、穴や荒れた箇所がありませんでした。普通、自動車道の真ん中には黄色い線が引かれ、道の両端には白線が引かれていますが、レイキンさんが走っている道には黄線も白線も引かれていませんでした。そしてガードレールもありませんでした。
道は非常に狭く、カーブが多いので、角を曲がる時は道の真ん中を運転せざるを得ませんでした。しかも、その道を走っているのは彼だけで、行けども行けども他の車に出くわしませんでした。
そうこうするうちに、他にもおかしな点があることに気づきました。道路標識や、ポストや、電柱や、野生の生物をぜんぜん見かけなかったのです。不安が募る中、マタイアス町の道路標識が見えた時、レイキンさんはホッとしました。ところが、そこに人間社会の兆候は何もありませんでした。家もなければ、建物もなく、人気(ひとけ)もありませんでした。そのまま運転を続けるうちに、今度は「ロスト・リバー町」の標識が目に入りました。しかし、そこでも人間が生活している兆候は皆無。彼は不安にさいなまれながら運転を続けました。地図によると、30分後に目的地のセニカ・ロックスに通じる道に着くはずでした。
30分後、レイキンさんはついに人が生活している場所に出ることができました。しかし、驚いたことに、彼が目にしたのはムアフィールド町の標識でした。彼はいつの間にか国道55号線に戻っていたのです。3時間ですむはずだったドライブは6時間に及びました。
その後、レイキンさんはこの不可解な車の旅を再現しようとしたのですが、あの謎めいた道路を見つけることはできませんでした。
レイキンさんがこの体験を運転手仲間に話したところ、その友達もまた似たようなできごとをその付近の道路で体験したことが明らかになりました。
ある日、彼は軽トラックに荷物を積み、セニカ・ロックスに向けて発車しました。出発点から目的地までは15分の距離でした。ところが、彼は瞬時にして目的地に着いてしまったのです! 彼はあまりにも驚いたので、急ブレーキをかけました。トラックは道から外れましたが、危機一髪で衝突を免れました。
動揺した彼は店にいってソーダ水を買い、気持ちを落ち着けなければなりませんでした。店の時計に目をやった彼は、さらなるショックを受けることになります。彼は目的地のセネカ・ロックスに15分早く到着したのです。彼の腕時計は店の時計よりも15分遅れていました。
とは言え、もう既に実現できてるのかも知れませんね。隠されているだけで。フィラデルフィア実験のことも、まだまだ都市伝説的扱いの方が強いですからね。地図があったので理解しやすかったです。ありがとうございます。