これはカナダの男性・ジーンさんの体験談です。
このできごとは2006年の秋に起こりました。僕はカナダのニューファウンドランド州にある小さな町に住んでいます。ごくありふれた町ですが、その夜に起こったことは、僕が個人的に体験したできごとの中で最も奇妙なものの一つです。
その夜、友達と連れ立って、別の友人の家を訪ねました。訪問を終えた僕たちは自宅に向かって車を走らせていました。時刻は1時半を回っていました。夜空には星が輝き、暖かくて、快適な夜でした。
長さが1キロメートル足らずの田舎道を走っていました。この道に入ってから30秒くらいで曲がり角にさしかかります。そこを曲がったら、突然あたりに霧が立ち込めたのです。それは驚くにあたらないことです。なぜなら、僕が住んでいるところでは、頻繁に霧が出るからです。そんなわけで、特に気にとめることはありませんでした。
この曲がり角あたりから、道は丘に向かって坂になります。ところがどういうわけか、丘の頂上まで行くのに妙に時間がかかるような気がしたのです。そのとき僕たちは時速70キロで車を走らせていたのだから、なおさらです。頂上に至ったら、また曲がり角があり、道は再び平らになります。何とかてっぺんまでたどり着き、道を曲がろうとしました。そのとき驚くべきことが起こりました。霧が消え、一瞬にして丘のふもとまで戻ってしまったのです!
そのとき僕たちの頭を占めていたのは「いったい何が起こったんだ?」という疑問だけでした。この道を端から端まで走破するのにかかる時間はせいぜい5分程度。腕時計を見ながら、なぜ15分の時が経ってしまったのか、そしてなぜ前の地点に戻ってきてしまったのか、首をかしげていました。そのときの気持ちは忘れたくても忘れられません。僕たちはお互いの顔を見合わせながら考えあぐねていました。
他にも不思議な体験をしましたが、これほど驚愕した体験は他にはありません。あのとき僕たちの身に何が起こったのか、15分はどこに消えてしまったのか、どのようにして丘のふもとまで戻ったのか、ぜひとも答えが知りたいです。


ドラゴンズ
