これはメキシコの女性・アンドレアさんの体験談です。このできごとはメキシコ・プエブラ州にある小さな町・ティラパで起きました。このページに掲載している画像はすべてティラパのものです。

メキシコの男性がヤギを追って小さな洞窟の中に入っていったのだが……

この話は祖父から聞きました。祖父は実直な人で、作り話をしたり、物事を大げさに話したりするような人ではありません。祖父はメキシコ人です。あなたも耳に挟んだことがあるかもしれませんが、メキシコでは本当に奇妙なできごとがいろいろ起きています。

当時、20代の青年だった祖父は、弟と一緒に野原で家畜の世話をしていました。二人のそばには近所の人たちもいて、同じように作業に従事していました。

お昼時になったので、全員が木陰に集い、昼ご飯を食べ始めました。そんな中、ある男性が飼っている子ヤギがその場を離れ、どこかへさまよい歩いていったので、彼はヤギを追って小高い丘を上っていきました。そこには小さな洞窟がありました。

ヤギがその洞窟の中に入っていったので、彼もあとに続きました。ところが、それっきり男性もヤギも洞窟から出てきませんでした。みんなそのことを不審に思い、彼を探しにいったのですが、洞窟の中には男性もヤギも見当たりませんでした。警察に連絡し、捜索が行われたのですが、結局彼は見つかりませんでした。洞窟の中に穴があったわけではないので、まったくつじつまが合いませんでした。

それから一年が経ちました。祖父が一年前と同じ場所で作業に励んでいた時、二人の仕事仲間が「(行方不明の男が)見つかったぞ!」と大声を上げました。野原にいた全員が声のした方に走っていきました。果たしてそこには問題の男性がいました。彼は蒸発した時と同じ服を身に着けており、子ヤギは少しも成長していませんでした。

その男性は驚くべき話を語って聞かせました。例の洞窟に入っていったら、そこに水差しを持った男がいたといいます。ヤギの飼い主はそれまでずっと外で仕事をしていて、喉がカラカラに渇いていたので、洞窟の中にいた男性から水差しを受け取り、水を飲んで、ヤギにも飲ませました。

喉が潤ったところで、彼は謎の男と話を始めました。洞窟の中にいた男性は、ヤギの飼い主のことを何から何まで知り尽くしていました。しかし、飼い主はそれまでその男性に一度も会ったことがなかったのです。

行方不明になってから丸一年が経っていたにもかかわらず、ヤギの飼い主は洞窟の中に精々一時間ぐらいしかいなかった、と思っていたそうです。

その後、彼は精神的ショックで頭がおかしくなり、このできごとを説明することができなくなりました。彼はその症状から回復することもなく、40代の時に息を引き取りました。

初めのうち私は祖父の話を信じなかったのですが、里帰りした際、伯母やいとこに尋ねてみたら、二人ともそれが実話であることを確認しました。二人は私を問題の場所につれていってくれました。二人の話によると、洞窟の中に足を踏み入れる勇気を持った人は町に一人もいないとのこと。この丘は地元の人々の間で「魔法をかけられた丘」と呼ばれているそうです。

現在、祖父は66歳なので、このできごとはおよそ40年前に起きたことになります。今年の3月に妹がその丘を訪れたのですが、そこに行ったら妙な気持ちになったと言っていました。妹がこの話を聞いたのは、そこを訪れたあとのことなので、気のせいではありません。

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