

巻き戻された時間
昔、自動車の部品を自動車修理店に届ける仕事をしていた。ある日、3キロメートル先にある修理店に部品を届けるために、駐車場から道に出ようとしていた時、「時間のしゃっくり」とも言えるような体験をした。
駐車場の出口まで行き、左手を見たら、二大の車が丘を越えてやってくるのが見えた。一台は赤のトラック、もう一台は灰色のセダン車。次に右を見て、車が来ないことを確認した上で、左からやってくる二台の車が通り過ぎるのを待つことにした。
数秒が経過したのに左の車が来ない。そこでもう一度左を見たら、そこには一台の車も走っていなかった。
それから数秒後、左から車が走ってくる気配がしたので、目をやったら、二台の車が丘を越えてやってくるのが見えた。赤のトラックと、灰色のセダン車だった!
なお、丘を越えたところから駐車場までの間に、方向転換できるような場所はない。同僚たちはみんな配達で出てしまっていたので、この話を裏づけてくれる人はいない。
駐車場の出口で待っていた時、時間が5〜10秒巻き戻されたのだろうか? それとも、5〜10秒後に起きるできごとを予知したのだろうか……?
存在しないピザ
私の家族は、新年に一家そろって祖母の家に一週間滞在することになりました。母が家族全員のためにミニピザを焼いてくれました。私のピザはチーズしか乗せていないプレーンのものでした。
私はいとこと一緒に台所の椅子に腰かけ、ピザが焼きあがるのを待っていました。母が「一丁上がり」と言って、オーブンからピザを取り出し、皿に乗せました。私は皿を持っていとこと階下に行き、テーブルの上に置きました。自分のピザを見た時、クラストの生地が膨れ上がり、大きなバブルができていたことを覚えています。
その時、母に呼ばれたので、私たちは階段を上がって台所に戻りました。母はピザを皿に乗せ、私に手渡しました。私はそれがいとこの分だろうと思い、いとこに手渡しました。ところが母はそれが私の分だと言ったのです。
私の分はすでに受け取ってテーブルの上に置いた旨、母に告げたら、いとこが奇妙なことを言いだしました。私はピザを階下に持っていかなかったと言うのです。私は自分の言い分が正しいことを示すために、いとこと階下に行ったのですが、テーブルの上は空っぽでした。
本当に不気味なできごとでした。ピザを運んだことを確かに覚えていたのです。しかも、二つのピザのクラストには同じ大きなバブルがありました。いとこの言うことには、私は物を運ぶかのように手を前に差し出し、階段を下りていって、テーブルの上に何かを置く動作をしたのだそうです!
二人の私
私は夜間に働いており、午前1時ごろに帰宅します。大概の場合、夫はパソコンで仕事をしたり、テレビを見たりして、私が帰るまで起きて待っていてくれます。ある夜、帰宅したら夫はソファに腰を下ろし、スマホをいじっていました。「ただいま」と声をかけたら、夫は唖然とした表情を見せました。「どうしたの?」と尋ねたのですが、口をポカンと開けて私を見つめるばかり。
「ねえ、これはどういうこと?」と再度尋ねたら、夫は「お前、少し前に帰ってこなかった? 帰宅して洗面所に行ったと思ったんだけど」(私は家に帰ったら、メイクを落とすために、まず洗面所に行くことにしています)。
「そんなことないよ。今、帰ってきたばかりだよ」と言ったら、夫は信じられないと言いたげな表情を見せました。
「夢でも見たんじゃない?」
「いや、ずっと起きていたよ。お前が帰ってきた時はインスタグラムを見ていたんだ。」
確かに夫はスマホを手にしていました。スマホにはインスタグラムのページが表示されていました。
知らない駅
祖父の話。いつも乗る電車で居眠りして乗り過ごした。降りたらそこは全くしらない駅。(ちなみに隣の駅も。)
異な事だ、と驚いたが、常に持っていたカメラで駅や周りの景色を撮ったのだそうだ。
そこからの記憶がまったくないまま目がさめると、そこは自分の乗り降りする駅だった。
写真を現像してみたが、白い渦巻きのようなものや青い筋のようなものが写っていただけだったと言う。
出典:不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part 1
さめざめと泣く人
これはあるアメリカ女性の体験談です。これは数年前に起きたできごとなのですが、今日に至るまで思い出すたびに背筋が寒くなります。
ある日、私は夫および三人の友達と連れ立って、オレゴン州の森の中にある不気味な石造りの廃屋を探検することにしました。ちなみにこの廃屋を地元の人々は「魔女の城」と呼んでいます。
探検を楽しんだ後、帰宅の途につきました。そこから自宅まではおよそ3キロメートルの道のりです。その途中、地面に座って泣いている人を見ました。その人はダブダブの服を着ており、とても汚れているように見えました。頭を膝に埋めていたので、顔を見ることはできず、男性なのか女性なのか分かりませんでした。
ただならぬ気配を感じたので、助けを申し出ることなく、歩き続けました。夫や友達もその人に目をやっていたのですが、全員が沈黙を保ちました。ただ、みんなが足早になりました。
ともかく、約20分の間すべてのことが奇妙に感じられ、全員が無言のまま歩を進めました。そんな中、やっとのことで友達の一人が「あの男、本当に気味が悪かったな」と口を開きました。そこから状況は奇妙になっていったのです。
もう一人の友達が「男? 私が見たのは犬だったよ」。こうして四人が何を見たかを話し合うことになったのです。私はさめざめと泣く人を見ました。友達の一人は犬。もう一人の友達は、私たちをあざけ笑う男。そして夫は眠っている人を見たというのです!
この日、何が起きたのか、私にはさっぱり分かりません。