"Fushimi Inari Festival 宵宮祭" by Patrick Vierthaler is licensed under CC BY-NC 2.0.

これはある日本人女性の体験談です。

近所の稲荷祭りが終わり、女子中学生と男子高校生が家に帰ろうとしたら、不可解な事態に……

私が中学生の頃、友達と一緒に近所の稲荷祭りに出かけました。小さい境内に似合わず、人もたくさんくる賑やかなお祭りで、準備はもちろん、出店もほとんど近所の人たちでやっているので、少しくらい帰りが遅くなっても大丈夫なので(最後には誰かしら一緒に帰ってくれる人がいる)、私は毎年遅くまで居座っていました。

その年も夜9時くらいにお祭りが終わり、近所に住む友達と一緒に後片付けを手伝っていたのですが、最後に、残った生地でお好みを焼いてもらったので、お稲荷様におすそ分けして、友達とお社のまえに設置された椅子に座ってわいわい食べていると、

「○○(私)ちゃん○○くん、そろそろ帰るべし、いっしょにあんべ〜」と呼ばれました。

「はーい」と返事したのですが、呼んでくれた近所のおいちゃんは気付かず、私たちの名前を呼び続けていました。おかしいなと思って、立ちあがって、大きめの声で返事しながら手を振ったのですが、おいちゃんは気づきません。それどころか、「○○と○○、どこさいったか知らねぇか?」と、他の大人に聞いていてまわりはじめていました。

こんなに近くにいるのにと思いながら、急いでゴミを袋に入れて、おいちゃんのところへ行こうとしていたら、おばちゃんが「あれっ、二人して、そこで食べてたけど」って、私たちのほうを指さして言ってました。えっと思いながら、おいちゃんとおばさんのところに「ここにいるよー」って大声だしながら走っていたのですが、ぜんぜん気づいてくれません。肩とか叩いているのに、無視されているというかなんというか……

ちょっと怖くなって、一緒にお好み焼き食べてた友達の手をにぎったら、その子は「なんだろう、どうしたんだろうね」と、首をひねっていました。

そのうち、私たちを探し始めて大騒動になってきました。私は中一で、友達が高一だったので、送って帰っていったんじゃないかと言いはじめ、私も友達も頭が????のまま。必死になるべきなのか、からかわれているのかわからないまま、冗談やめてよーみたいな感じで、大人のまわりをうろちょろしていました。でも、境内の脇に私と友達の自転車が見つかって、カゴに荷物も入っていたことから、なんかおかしいということになり、あれよあれよと大騒ぎになってしまいました。

友達もさすがに「なんかおかしいよコレ」と言って、いっしょに境内を出て、神社隣の酒屋にあった公衆電話から友達の自宅に電話をかけました。(当時は携帯電話が普及しはじめたところで、田舎の高校生では携帯を持っている人は少なかったのです)

あいにく友達の両親は留守だったので、私の家に電話をかけました。母親が出たのでたのですが、私が「もしもしお母さん?」と言っても、『もしもし?もしもし?』とかえってきて、こちらの声が聞こえていないようでした。しまいにはイタズラと思われたのか、切られてしまいました。なにがなんだかわからないままもう一回かけたのですが、やっぱり声が届いていないようで、『イタズラなら切ります』と言われてしまいました。そのことを友達に話していると、お祭りにいた人達が私たちのところへ向かってきたのでほっと安心したところ、私たちを素通りして酒屋の裏手に向かい、「○○さん、電話かしてけでー」と言って入っていってしまいました。

誰に声をかけても気付かれないので、自転車に乗って帰ることにしました。左手にずらっと田んぼがあり、右手に畑が連なっている道で、お祭り帰りの高校生もいて、声をかけたのですがやっぱり気付かれず。なんともいえない気分で、無言のまま二人で自転車こいでいると、「ちょっとまって」と友達がいきなり自転車をとめて、「自転車おいて、歩いていこう」と言うので、その通りにしました。

自転車のライトが消えて、当然真っ暗になったのですが、友達が「そのキーホルダー、かごに入れて」と言うので、私のバックに付いていた光蓄するキーホルダーを取って、自転車のかごに入れました。

頭が働かなくて、言われるがまま自転車を乗り捨て、友達に手をひかれて、右手の畑を通ってトウモロコシ畑に入りました。「しゃがんで、あれ見て」と友達が言う通り、さきほど通っていた道を見たら、点々とある街灯のあかりの下を、祭り帰りの人も通ってゆくのですが、黒い影とも、白い影とも、透明ともいえない……表現しにくいのですが、なにか人影のようなものも通り過ぎていくのです。「蜃気楼じゃないよね」とか言っていたのですが、「あれにライトあたったとき、顔みえた」と友達が言ったのを聞いてゾッとしたのを覚えています。>

そのうえ、私たちの後ろをついてくる同じ影がいて、わざと普段通らない道を通ったりしてきたそうなのですが、やっぱりついてくるので、試しにライト消して隠れてみた、みたいな説明をしてくれました。これからどうしたらいいのかわからず、しばらく畑で座ってました。

15分くらいすると、警察のパトカーが道を通りすぎ、「もしかして私たち通報されたんじゃない」みたいな話をしていたときでした。友達が私の手をにぎったので、ただ事じゃないと思って黙ったら、畑の向こうから影みたいなのが数体、こちらの畑に入ってきたんです。腰を低くして早足でトウモロコシ畑を抜け、川の土手を這うようにして走りました。それから、どん詰まりにある自宅には向かわず、明るくてここよりは人の多い、24時間やってるスーパーへ行こうということになり、後ろを振り向かないでひたすら走りました。

そして、スーパーの公衆電話からもう一度家に電話をかけたのですが、『もしもし?○○(私)なの?○○でしょ?どこにいるの?もしもし?』と母親が出て、パニックしていました。呼びかけても声が通じないので、こちらから電話を切りました。それからスーパーの人に声をかけたのですが、やっぱり無視されるのです。仕方がないので、飲み物と食べ物を少し取って、多めのお金をレジにおきました。(でも、店員さんがそれに気づく気配はなかった)

それから3日、自宅に行ったり、警察に行ったり、神社行ったり、影みたいなのから逃げながら、ひたすら隠れて逃げてしていました。そして友達と話し合って、次に影が来たら逃げずに話そう(?)と決めました。

一睡もしてなくて、眠くて眠くて、行きがかりの橋の下で座って寝ていたら、友達に肩をゆすられて目が覚めました。警官がこちらに向かってくるので、友達はちょっと警戒していました。でも、警官のほうからこちらに声をかけているので、ようやく会話ができる人が現れたと思って泣いてしまいました。そのまま保護され、家出ということで処理されました。

私たちは祭りの含めて、3日くらいしか家をあけていないのに、14日も行方不明ということになっていました。乗り捨てられた自転車も、私たちがスーパーで買い物した形跡も見つかり(置き去りのお金と、食べた袋)、スーパーの事務所に入って電話した記録も残っていました。「そのとき警備員がいたはずなのに、どうやって忍び込んだ?」みたいに言われ、私たちも説明のしようがなくて、すごく納得いかない体験でした。

出典:不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part78

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・これはもしや化かされたのではないでしょうか?
よく祖父や祖母から似たような話を聞きました
会話の方言の感じから岩手の方でしょうか?

ウィンチェスターさん(2022年8月18日)

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