霧に包まれた倫敦の通りで

夜明け前に窓外からひづめの音が。ロンドンに住んでいた日本人男性がそっと窓の外を覗いたら……

これはある日本人男性の体験談です。

20年以上も前の不可解な体験です。(その頃ロンドンに住んでいました。)

ある朝なぜか、いつも起きない早い時間に目が覚めたのです。

まだ外は薄暗かったのですが、なぜか部屋の明かりと点けないで暖炉型のガスストーブに火を先につけていました。

すると、遠くの方からかすかに馬のヒズメの音が聞こえてくるんです。

なぜそんな行動を取ったのか今も謎なんだけど、床に這いながら窓まで行きカーテンを少しだけ開けたんです。(ちなみに、部屋は借りていたフラットの2階で床から天井までの窓です。)

で床に這いつくばって、カーテンをほんの少しだけ開けて見ると、今まで見たことも無い様な、濃い霧に包まれていました。

耳を凝らして聞いているとその馬のヒズメの音だけが聞こえます。おかしな事に街の音がまったく聞こえません。

すると、霧を裂く様に馬に乗って二人の人物が見えたんです。

一人は白馬に乗った女性、金髪、ベルベットの青いジャケット、白い乗馬ズボン、黒いブーツ。

もう一人は、黒っぽい馬に乗った男性で軍服でした。

二人の楽しそうに話をしているみたいですが声が聞こえません。ただヒズメの音しか聞こえませんでした。

ゆっくり、窓の下の道を通り過ぎてすぐ霧の中に消えた様に姿が見えなくなりました。

ほんの少しすると霧が晴れ、と共に急速に薄明かりがさしてきたんです。

それと共にいつもの街の音が戻ってきたんです。

今でも不思議です、なんで軍服姿だったんだって・・・

なんであの濃い霧の中、二人の姿だけはっきり見えたんだ・・・

なんで自分は這って窓際に行ったんだ・・・

この、フラットでは不思議な事がいろいろありました。

出典:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part17

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