ドイツでドライブ中に蒸気機関車が走行しているのを目撃!
これはアメリカの男性、ボブさんの体験談です。
1995年、僕はドイツ北部に住んでいました。気持ちよく晴れ上がった、ある夏の日の午後 5 時頃、自宅に向かって車を走らせていたら、踏切に行き当たりました。でも遮断機はなく、線路の前で一時停車して左右を確認するだけになっていました。
スピードを緩めると、左側から蒸気機関車が走ってくるのが見えて驚きました。それは巨大で、蒸気と煙が吹き出ていました。速度は非常にゆっくりで、おそらく時速 8 キロぐらいではなかったかと思います。
もっとよく見たかったので車から降りました。蒸気機関車の車体は真っ黒で、客車はなく、エンジンだけ。番号や文字などは一切記載されていませんでした。車に戻り、交差点を越えながら、これで見納めと右側に目をやったら、蒸気機関車はもはやそこにありませんでした。線路は600 メートルほど直線に伸びていたので、蒸気機関車が見えなくなったのは理にかないませんでした。でも、この時点では特に不思議とも思わず、ドライブを続けました。
帰宅後、知り合いに尋ねてみたのですが、この地域で蒸気機関車について知っている人は独りもいませんでした。そこで駅に問い合わせたら、この町では蒸気機関車が運行されていないと断言されました。僕が見た蒸気機関車について説明したところ、いずれにせよ列車の番号なしでは走らせることはできないと言われました。戦時中のみ、側面とプレートの数字が塗りつぶされていたというのです。
あの日、何が起こったのか分かりません。1つ確かなことは、僕が車から降りて、目の前を巨大な蒸気機関車が通り過ぎるのをハッキリ見たということ。その音を聞き、煙の匂いを嗅ぎ、蒸気に包まれました。実はそれまで蒸気機関車を一度も見たことがなかったのです。それ以来、他の蒸気機関車を見る機会を何度か得ましたが、こちらの方がはるかに大きかったです。