これはアメリカの男性・Jさんの体験談です。
僕はアメリカの軍隊に勤めています。ある日、軍人仲間とニューヨーク旅行に出かけました。その際、友達が財布を無くしてしまったので、身分証明書・運転免許証・デビッドカード・クレジットカード等の再発行手続きをしなければなりませんでした。
それから半年後、友達と僕はコネチカット州の基地に駐在していました。基地の近くに廃棄された精神科病院があったので、ある夜、そこに肝試しに行くことにしました。その病院の名前は「ノリッチ州立病院」です。
その病院は基地から約 10 キロメートル離れた道外れにありました。午後9時を回ったころ、病院に到着。廃棄された精神科病院の例にもれず、中は不気味な雰囲気に包まれていました。病室の壁にはひっかき傷があり、「助けて」と嘆願する文字が元患者によって書かれていました。
昼間でも不気味なのに、夜になったら怖さは倍増します。夜になると幽霊が出てくるというもっぱらの噂なのです。
病院の中を探検している間に、トイレに行く必要に迫られました。どうしても我慢できなくなったので、外の森に行き、用を足しました。
病院に戻り、友達と合流した時、床に何か光るものがあることに気づきました。拾い上げて見たら、それは友達の身分証明書。「なんでこんなもんを持ってきたんだ?」と聞いたら、友達は「持ってきてないよ。身分証明書は車の中にあるよ」と答えました。
友達に身分証明書を手渡したら、それを見た友達の顔から血の気が引きました。それは半年前にニューヨークでなくした身分証明書だったのです!
僕たちは一目散に病院から退散しました。あれほど速く走ったことはかつてありません。車に飛び乗り、直ちに発進しました。あまりにもビビっていたので、ダイナー(道路沿いにある軽食レストラン)に寄り、食事をして気を静めることにしました。その時の時間は午後11時ごろだったはず。
ダイナーに着いたのですが、閉まっていました。時計を見た僕たちは大きなショックを受けました。なんと時刻は午前 4 時になっていたのです! 短距離をドライブしている間に、なぜか 5 時間が経過していたのです!