これはアメリカ人男性のフィルさんの体験談です。
1978年の夏、私はアリゾナ州にあるグランドキャニオンで夜勤事務員として働いていました。初めに言っておきますが、グランドキャニオンでは時間に関する不思議現象がよく起こります。あなたもそこに行って、体験してみてください。この仕事では、賃金外の特典として、従業員に宿直室が与えられます。これは大学の寄宿舎のようなものです。
ある午後、私が睡眠をとっているときに、私と部屋を共有している同僚が、トイレを使うために部屋に入ってきました。彼は私を起こさないよう万全の注意を払いながら入室しました。私は目の片隅で彼の姿を認めたのですが、彼とは別に、もうひとりの人物がいることに気づいたのです。その男は私のベッドの末端に立っていて、愕然とした表情で私を見ていました。私は彼が新入社員で、部屋を間違えたか、係員から違う部屋を教えられて、この部屋に入ってきたのだろうと推理しました。それで、肘をついて身を起こし、目を細めて(私は近眼です)、迷ったのかどうか彼に尋ねました。次の瞬間、彼はかき消えました。
私は同僚にこの男の姿を見たかどうか尋ねましたが、彼は見なかったとのことでした。これは真昼間に起こったできごとです。私は、この男が未来人で、私は過去人だったのだろうと結論づけました。たぶん私たちはお互いの目の前でかき消えたのでしょう。彼は自分のベッドで誰が寝ているのだろうと不審がったのかもしれません。
