日本とフィリピンの土着信仰の間に意外な共通点が!
今回は、フィリピンの伝説上の生き物・カプレについてご紹介します。
フィリピン神話に登場するカプレは、類人猿のような姿で、身長2.1~2.7メートル。肌の色は黒く、毛深く、筋肉質な生き物です。強い体臭を持ち、木の枝に座って煙草を吸うとも言い伝えられています。
なぜ突然フィリピンの神話を持ち出しのかと申しますと、日本のキツネとフィリピンのカプレの間に意外な共通点があることが分かったからです。
山道などを歩いている時、迷子になり、同じところをグルグル回るばかりで抜け出せない……この種の話は洋の東西を問わず、よく耳にしますが、日本でこのような状況に陥った時は、キツネやタヌキにばかされた、ということで説明されていますね。フィリピンでは、カプレが日本のキツネやタヌキに相当するようです。
カプレは人々にいたずらをすると言われており、山や森の中で旅人を道に迷わせることがあります。たとえ見慣れた環境であっても人を混乱させる力を持っていると信じられています。
カプレに遭遇したという人の話によると、目に見えない存在の笑い声を聞いたり、木のてっぺんから大量の煙が出ているのを見たり、夜間に木から大きな赤い光る目が見えたり、森の中をカプレが歩いているのを実際に見たりといった例があります。また、森の中にたくさんいるホタルは、カプレが火をつけた葉巻やパイプの残り火だと信じられています。
ちなみに、フィリピンでは、カプレにばかされ山や森の中で道に迷った時は、服を表裏に着ると解放されると言い伝えられているそうです。