あそこは「ここ」じゃなかった

父と息子がショッピングモール内にあるピザ屋に寄ったら、ただならぬ雰囲気が漂っていた。しかも店内にいた全員が2人をじっと見つめて……

これはアメリカの男性、Hさんの体験談です。

この話は100%真実で、僕の記憶の限りでは、以下のように展開しました。

90年代半ばのことです。雨がしとしと降る土曜日の朝、父がショッピングモールに車で出かけないかと誘ってきました。いつもは都会の大きなショッピングモールに行くのですが、今回は北にドライブし、大学の近くにあるとても小さな田舎のモールへ。

到着後、おしゃれな店やアーケードを見て回り、そろそろ帰ろうという時、とあるピザ屋が目に留まりました。父が「一枚食べるか?」と聞いてきました。ピザが嫌いな子供なんていません。僕は「もちろん!」と答えました。

ここから奇妙な展開になります。ピザ屋に入った瞬間、何もかもが変わったことに気づきました。店内の空気は青みがかったており、それまでよりずっと寒く感じました。騒音も小さくなりました。そして音はくぐもっていました。しかも、そこにいた全員が手を止めて、僕たちを注視!

父は論理的で理性的な人なのですが、そんな父の顔にさえ、「何だこれ?」という表情が浮かんでいました。ピザを注文して席に着くと、まだみんながじっと僕たちを見つめていることに気づきました。奇妙な感覚でした。特に、隅っこにいたサングラスの男が、ものすごく不気味な笑みを浮かべていたのが印象的でした。

僕たちはピザをあっという間に平らげて、そそくさとその場を去りました。店を出た瞬間、気分は晴れ渡り、「ああ、またいつもの日常に戻った」という安堵感に包まれました。光は元通りになり、寒さも和らぎ、音も普通に戻りました。

何年も経ってから友人たちにその話をしたら、「そこに行って見てみよう」ということになりました。そんなわけでモールに向かい、敷地内をくまなく見て回ったが、結局その場所を見つけることはできなかった。

メンテナンス作業をしている年配の男性に尋ねてみたら、「ここ30年くらい、ピザの食べ放題の店はないよ」と言われ、腕と首の毛が逆立ちました。

家に帰って父に話したら、こんなコメントが返ってきました。

「さして驚くべきことではない。あの日行ったところは『ここ』じゃなかったんだから。」

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