これはアメリカの男性・Mさんの体験談です。
今から10年ちょっと前、彼女とベルギーへ週末旅行に行きました。ブリュッセルに滞在しましたが、最初の丸一日、土曜日にブルージュへ日帰り旅行に出かけました。
ブルージュでは運河を巡るボートに乗り、船長が街の古い建物とその歴史について説明してくれました。通り過ぎた建物の一つは、かつてイギリス大使館だったそうで、オードリー・ヘプバーン主演の1959年の映画『尼僧物語』のロケ地の一つでもあったと教えてくれました。この映画は、裕福なベルギーの家庭を離れ、修道女としての生活を選んだガブリエル・ヴァン・デル・マルの物語を描いています。

全くの豆知識でした。僕は古い映画にそれほど興味があるわけではありません。ヘプバーンの名前はもちろん知っていましたが、この映画のことは聞いたこともありませんでした。
ボートツアーの後、ブリュッセルへ戻るために電車に乗ることにしました。駅に着いた時にはちょうど出発する電車に間に合い、90分ほどでブリュッセルのマリオットホテルに到着しました。
ベッドに腰を下ろし、テレビをつけたら、BBC(英国国営放送)チャンネルで『尼僧物語』がちょうど始まったところだった。

バスルームにいた彼女を呼び寄せると、彼女はテレビで何を見ているのかに気づき、それから二人とも呆然としたまま、映画を最後まで見入ってしまった。