血に飢えた女の幽霊

アメリカの大学生がホラー映画を撮るためにロケハンしていたら、森の中に不気味な家が建っていて……

これはアメリカの男性・Sさんの体験談です。

これは僕が大学1年生の頃の話です。友人たちと短編映画コンテストに応募することになりました。「血に飢えた女の幽霊」という使い古されたホラーのストーリーを考案しました。

撮影場所を探していたところ、友人がある場所を提案しました。それは数軒の家が建てられている丘でしたが、それだけでは「不気味さ」が足りなかった。とはいえ、森の中での追跡シーンを撮るにはうってつけの場所だったので、まずはそこを確保し、次に「不気味な家」を探すことに。とりあえず森のシーンを撮り終えてから、不気味な家がある別の場所へ移動しようと考えていました。

現地に行ってみると、驚いたことに、木立の真ん中にいかにも不気味な雰囲気の家が建っていました。建設中ではありましたが、異様な雰囲気を漂わせていたのです。まるで最初からそういう不気味な見た目になるように設計されているかのようでした。

施主の男性は偶然にもその日現場で工事の監督をしていたので、数日間撮影のために部屋を使わせてもらえないかと頼んでみました。彼は僕たちを「大物インディーズ映画監督」だと勘違いして大喜び! 快諾してくれました。それどころか、僕たちがどうしても撮りたかった「バスルームの鏡のシーン」のために、急ピッチで浴室の設備を整えてくれたほどです。

森での追跡シーンを含むすべての場面を撮影し、1週間でクランクアップ。撮影させてくれたお礼を伝えると、彼は完成した映画のコピーが欲しいとまで言いました。

編集や修正を重ね、ついに短編映画をコンテストに応募。あの親切な男性のことは忘れかけていましたが、友人が彼のことを話題にしたので、再びあの家を訪れることに。

現地に着くと、そこには何もない空き地が広がっていました。まるで最初から何もなかったかのよう。建設の痕跡も家もなく、ただ木立の真ん中に何もない土地があるだけ。ひどく動揺しました。場所を間違えたのかと思いましたが、友人たちは口々に「ここで撮影したはずだ」と確信していました。森の追跡シーンを撮った場所のすぐ目の前にあの家があったはずなのに、影も形もなかったのです。念のために翌日また来ることにしました。

翌日、再びその場所へ行ってみると……例の家が建っていました! 不気味な家は、ずっとそこにあった。施主の男性にDVDを届けると、大喜びしていた。前日に起きた出来事については、あえて彼には伝えませんでした。

このできごとは今でも僕たちの心をひどくかき乱しています。