『ドクター・フー』73ヤードレビュー

製作国:イギリス
原題:73 Yards(『ドクター・フー』シーズン1第4話)
監督: ディラン・ホームズ・ウィリアム
脚本: ラッセル・T・デイヴィス
出演者:シュティ・ガトワ、ミリー・ギブソン、ヒラリー・ホブソン、ほか
配信開始日:2024年5月25日
時間:47分6秒

あらすじ

英ウェールズの海岸の崖の上に着陸した直後、ドクター(シュティ・ガトワ)は誤って「妖精の輪(まじないのお札のようなもの)」を壊してしまう。ルビー(ミリー・ギブソン)は「マッド ジャック」と呼ばれる人物に関する手紙を見つけ、音読するが、気がつけばいつの間にかドクターは消えてしまっていた。ターディスに戻ろうとするが、鍵が機能しない。さらに奇妙なことに、遠くに老女が立っていて、不明瞭な言葉を発している。最寄りの村に向かって歩いていると、老女が後をつけてきた。しかも、老女に近づく者は誰でも、恐怖と嫌悪感でルビーから逃げ出すのだった。果たして老女は何者なのか? ドクターはどこに行ってしまった?

『ドクター・フー:73ヤード』解説(ネタバレ)のページを作りました

レビュー

全編に不安感が漂い、先を読めない、サスペンスフルな異色作

2023年に放送されたクリスマス特番『ルビー通りの教会』とシーズン1第1話『スペース・ベビー』は、どちらかというと子供向けの軽めのストーリーで、『ドクター・フー』は子供向け番組に方向転換したのかと危ぶんだが、このエピソードを見て、それは余計な心配であったことが判明。子供には重厚すぎるのではないかと思うほど大人向けの話だった。


BBC

エピソード前半は英国の伝統的なゴースト・ストーリー(怪談)を思わせる雰囲気たっぷりの展開を見せるが、中盤から『デッド・ゾーン』ばりの政治スリラーに転換、最後は時間SF的な結末で締めくくられる。全体的に文芸作品のような香気の漂う作風になっている。神秘的な雰囲気を保つために、この回だけオープニング(主題曲が流れる部分)は省略されている。

セクハラといった重いテーマも扱っているが、家族向け番組なので当然露骨な描写はない。セリフでセクハラをやんわりと示唆するだけなので、子供は見過ごしてしまうだろう。

これはドクターの出番の少ないエピソード。というのも、シュティ・ガトワは別番組の撮影をしなければならなかったので、コンパニオン役のミリー・ギブソンが主演を肩代わりした形になる。ギブソンはまだ19歳なのに、主役として何の遜色もない見事な演技力を発揮している。

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