
原題:Emergency Only
監督:ジョン・ニューランド
脚本: コリエ・ヤング
主演:リン・マッカーシー、ポーラ・レイモンド
時間: 約30分
放映日:1959年2月3日(米ABCネットワーク)
あらすじ
マンハッタンの瀟洒なマンションで催されたカクテルパーティーに出席していた霊能者エレン・ララビーは、出席者に請われ、超常現象に懐疑的なビジネスマン、アーサー・ダグラスの直近の未来を透視する。エレンの予言は恐ろしいものだった。列車でナイフを持った黒髪の女に出会うというのだ。アーサーはこの女に殺される運命にあるのだろうか……?
エピソード全編
ヒッチコックの作品を思わせる極上のスリラー!
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このエピソードは『世にも不思議な物語』の中でも五指に入る、抜群に面白い話だと思います。ヒッチコックの作品を彷彿とさせるスリルとサスペンス、そして少しばかりのユーモアに彩られています。
物語の舞台も「洒落たカクテルパーティー」→「列車」と華やか。列車を舞台にした映画・ドラマは旅情をかきたてられ、それだけで魅力的です。
疑り深いビジネスマン、アーサー・ダグラスを演じたリン・マッカーシーは、主役としての貫禄とカリスマ、そして一本の作品を引っ張っていくだけの魅力と演技力を兼ね備えています。アーサーは口が悪く、生意気だが、一応基本的なマナーは心得ているし、根は悪い人ではないので、憎めない。謎の女を演じたポーラ・レイモンドはエリザベス・テーラーに似た古典的な美女で、ヒーローとの相性もいい。スリルとサスペンスだけでなく、ほのかなロマコメの要素も加味されているように思います。
主演俳優だけでなく、脇を固める俳優もいい味を出している。特に駅員を演じた役者さんの演技が秀逸で、ヒーローとのやりとりは真に迫っていました。
ただ二点ほど、時代の流れを感じさせる場面が。一つは、ヒーローがヒロインにタバコを勧める場面。ヒロインは当然のことのようにタバコを受け取って、スパスパ! 今では考えられない場面です。そしてもう一つは、黒人がメイドとポーターの役で、セリフのない端役に回されている場面。ポリコレ過剰の現代では考えられない配役です。
最後のオチを見た時にはハッとさせられました。この結末を予想できる人はいないのではないかと思うのですが、いかがでしょう……?
ちなみに、霊能者エレン・ララビーを演じたのは、マーロン・ブランド(アカデミー主演男優賞を2回受賞)の姉にあたる、ジョスリン・ブランドです。