世界最古の歌を聴いて聴覚のタイムトラベルをしよう!
カナダの音楽家であるピーター・プリングルさんが世界最古の楽曲を再現しました。
フルリ人の女神ニッカルに捧げられたこの歌は、歌詞と伴奏音符が残っている最古の音楽。およそ 3500 年前に、シュメール楔形文字によってフルリ語で粘土板に書かれました。この粘土板は、1950 年代に古代都市ウガリットの遺跡で考古学者によって発見されました。
フルリ人とは、古代オリエントで活動した人々。北メソポタミア、及びその東西の地域に居住していた。紀元前25世紀頃から記録に登場している。
下の動画でピーターさんが演奏している長いネックのリュートは、トルコのバグラマとペルシャのセタールを合わせたもの。この楽器は、同氏が実験的に自分で作ったものだそうです! このタイプのリュートは、メソポタミアとアナトリア全域で古代から演奏されていました。
女神ニッカルは月の神で、豊穣や出産と関係がありました。フルリ語は十分に研究されておらず、元の石板に一部が欠けているところがあるため、歌詞は十分に理解されていませんが、大まかな訳はできています。
歌詞の大まかな訳は次のとおりです。
私は女神に捧げ物をした
女神が愛に心を開き、私の罪が許されますように。
甘い香りを放つごま油の瓶が女神を喜ばせ、
彼女が私たちに優しく接し、
実り豊かにしてくれますように。
穀物の芽吹く畑のように、
女性が夫とともに子を産みますように
そして、まだ処女である人々が
いつの日か子供に恵まれますように。