コスタリカの奇妙な靴屋

外出中、履いていたハイヒールが壊れてしまったので、靴屋に持っていったら……

これはコスタリカの女性・レンさんの体験談です。

私はコスタリカの小さな町に住んでいます。週末は同じような行動パターンになりがち。つまり、酒屋でお酒を買い、誰かの家で飲んでから、夜の街に繰り出すというパターンです。でも、この週末だけは違った展開になりました。

土曜日の夜、いつもの通り、友達のケイティ、マイケル、レイシーとつれだって、外出することになりました。私の住んでいる場所にはクラブが3軒くらいしかなく、どれも地元のバーみたいなものなので、出かける時におしゃれな服装をすることはめったにありません。ところが、どういうわけか、この夜、レイシーだけはドレスとハイヒール姿で外出しました。

全員シラフだったので、とりあえず酒屋にお酒を買いに行くことにしました。酒屋に行くには、歩道沿いの階段を数段下りなければなりません。階段を降りている途中、レイシーのヒールが折れてしまいました。少し動揺したレイシーは、ハイヒールを脱いで片手に持ち、みんなで酒屋に入っていきました。ちなみに、ここは週末になるといつも訪れるお店です。

中に入ると、いつもの店員、ホセがレジの後ろにいました。そこで彼に「ねえホセ、友達の靴を修理してくれるところ知らない?」と聞いてみました。すると彼は私を見て微笑み、「うん、ついて来い」。

ホセは私たちを酒屋の奥に連れて行きました。小さな店なので、正面から8歩くらい歩けば、もう奥についてしまいます。店の左側、酒が詰まった冷蔵庫の隣にドアがありました。ドアを開けると、40代くらいの男性が椅子に座って、たくさんの靴に囲まれながら、靴を修理していました。

少し奇妙だなと思いましたが、深く考えることはありませんでした。レイシーが靴屋のおじさんにハイヒールを渡すと、彼は接着剤でくっつけたか何かで、なんとか修理してくれました。私たちは笑い飛ばし、酒を買い、ホセにお礼を言って店を出ました。

一週間半ほど経ってまた店に戻ると、店は……以前とは全く違って見えました。狭くなったような気がしたんです。そんなことがありえるのでしょうか。

ホセに挨拶をして、部屋の奥へ飲み物を取りに行ったら、ドアがなくなっていました。あらゆる角度から見てみましたが、かつてそこにドアがあった形跡は全くありませんでした。外に出て建物を見てみると、部屋があったはずの場所に建物はありませんでした。

店に戻り、部屋のこと、そして靴を修理した男がどこにいるのかを、ホセに尋ねました。彼は「気でも狂ったのか」と言いたいような顔つきで「何を言っているのか全く分からない」。

でも私の頭がおかしくなったわけではないのです。一緒にいた友人たちはこの出来事を同じように鮮明に覚えていて、私と同じように混乱しています。


時間旅行
このお話は、日本のゆるさんの体験談『峠のお好み焼き屋』と共通点があるように思いました。それは……1.ありえないような場所に店がある。2.後日、店を紹介した人が、「そんな店は知らない」と言い張る……という点です。日本とコスタリカという、全く違った文化圏で、似たようなできごとが起きているというのは興味深いことですね。


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