2人のイギリス人女性が休暇旅行でベルギーのブルージュを訪問、そこで体験した不思議なできごととは……？
これはあるイギリス人女性の体験談です。
1964年の８月、休暇旅行で友達と一緒にベルギーのブルージュを訪れました。馬車に乗って街を観光しました。いくつかの観光スポットを訪れましたが、そのうちの一つは養老院でした。
三方を小家屋で囲まれた広場。広場の真ん中は未耕地になっていました。お年寄りたちが小さなテーブルを囲んで座り、レースを編みながらおしゃべりしていました。あるご婦人のお宅に招かれ、オレンジスカッシュをご馳走になりました。友達は端がレースで飾られたハンカチを購入。その後、教会を訪ねました。その教会は広場の左手の真ん中あたりに位置していました。しばらくしてから、私たちは人々に別れを告げてその場を去りました。
ブルージュで一週間の休暇を過ごしました。帰国前にもう一度馬車に乗ることを決め、御者に養老院まで行くよう頼みました。見覚えのある通路を通り、広場に至りました。
ところが、その光景は記憶とは違うものだったのです。人々の姿は見かけられませんでした。その日は温暖だったのに、レースを作る人々はいませんでした。前回訪れたとき未開地だった場所には大量の花と野菜が植えられていました。教会を探しにいきましたが、覚えていた場所にはありませんでした。結局、私たちは街区の端にその教会を見つけました。
教会の係員に、「教会は左手の真ん中あたりにあったのでは？」と質問しました。すると係員は「確かに昔はそこにありましたが、今の位置に移されたのです」と答えました。私たちは狐につままれたような気持ちでその場を離れました。
レースを作っていた人々はどこに行ってしまったのでしょう？
前回訪れたとき家の扉は旅行者を歓迎するかのように開いていたのに、今回はどの家も扉が閉められていたのはなぜ？
未耕地がたった一週間で耕されたのはなぜ？教会はわずか数日のうちに移動され、再建されたのでしょうか？
懐疑論者は気のせいだと言うかもしれません。でも友達は依然としてあの日に買ったハンカチを持っています。それは私たちにとって十分な証拠なのです。