長距離ドライバーの不思議体験

長距離ドライバーが仕事中に新しいレストランを発見、一休みするために中に入ったのだが……

これはアメリカの女性、Cさんの体験談です。

数年前におじがこの話をしてくれました。おそらくタイムスリップを体験したのだと思います。

おじは貨物トラックで配達をする仕事をしています。そのため長距離運転は日常茶飯事。時々お決まりのルートを往復します。仕事中に不思議体験をすることがよくあるそうです。

ある日、配達に行く途中で、日は沈み、かなり暗くなってきました。そんな中、遠くにいくつかの明かりが。「あそこには何もなかったはずだが……」といぶかりながら近づいてみると、それは新装開店したレストランでした。

数か月前に通り過ぎたときは廃業しており、建物には板が張られていたのです。おそらく誰かが建物を買い取ってレストランを始めたのでしょう。「コーヒーでも飲んで一休みしようか」と立ち寄ることにしました。

外にトラックを停め、レストランに目をやったら、念入りに修繕が施されていました。落書きは消され、ドアや窓を覆っていた見苦しい板も取り去られていました。窓枠は赤色のペンキで塗られていました。中に足を踏み入れると、客が食事をする場所と、従業員がいる場所が長いカウンターで仕切られていました。しかし中はもぬけの殻。人っ子一人いません。

壁に飾られた絵画を眺めながら「こんにちは! 誰かいますか?」と繰り返し声をかけたのに返事はなし。焦りと不安に駆られ、カウンターの後ろを覗いてみると、突き当たりにドアのある廊下が見えました。カウンターの反対側に回ろうとしたのですが、突然嫌な予感に襲われ、立ち去ることにしました。

配達を終え、帰りしなに同じ場所を通りかかったのですが、レストランはもはやそこになく、建物には落書きや板張りが。元の状態に戻っていたのです。混乱し、興味をそそられたおじは、トラックを停めて建物まで歩いていきました。窓に張られた板に割れ目があったので、携帯電話の電灯で照らして中を覗くと、いたるところにホコリが積もっていました。しかし、床には、2日ほど前に歩いた自分の足跡が!

すべての窓やドアに板が張られていたのに、どうやって中に入れたのだろう? おじはそんな疑問を抱きながら建物を後にしました。この疑問に対する答えを得られることは決してありませんでした。もしかして、ちょっとしたタイムスリップだったのでしょうか?

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