時代遅れの警察官

ドライブ中にスピード違反で警官につかまってしまった! だが、警官の様子がどうもおかしい……

これはイギリスの男性、Rさんの体験談です。

このできごとは 2004 年から 2005 年ごろに体験しました。当時、僕はまだ新米のドライバーで、ガールフレンド (現在の妻) とつきあい始めていました。

僕は時間を守るのが苦手で、約束の時間に遅れることがよくあります。このできごとが起こった晩、彼女を映画館につれていく約束をしていたのですが、仕事からの帰宅が少し遅くなり、支度をして家を出るころには、映画の開始時間に間に合うかどうか定かではない時間になっていました。

当時、僕が乗っていた車は92年型のフィアット・プント。保険料が安かったので、当時イギリスでは若いドライバーの間で非常に人気のある車でした。というわけで愛車に飛び込み、失った時間を少しでも取り戻そうとアクセルを踏みました。急いで角を曲がり、彼女の家に向かう最後の直線道路に入りました。それは長さ約1200メートルの真っ直ぐな道で、片側に住宅が立ち並び、もう片側は草地。意外にもこの晩は道が空いていたので、制限速度を超えて飛ばしました。走行中、カーステレオに手を伸ばして曲を一つ飛ばし、視線を前方の道に戻したら、どこからともなく人影が現れていることに気づきました。その人は道の真ん中に立ち、停車するよう手を差し出しました。近づいてみると警察官だったので、「ああ、やばい!」

速度を落とし、道路の脇に寄せて停車。窓を開けると警察官が歩み寄り、車から降りて車の後部に来るよう厳しい口調で命令しました。指示に従って外に出ると、尋問を開始。

どこに行くの?
どこから来たの?
どれくらいの時間運転しているの?

……等々、お決まりの質問ばかりでした。その後、スピード違反をしたと非難されたので、謝罪して、彼女を迎えにいくのが遅れたからと弁解。といっても、見逃してもらうことを期待していたわけではなく、罰金を科せられるのを覚悟していました。

警官は小さなメモ帳と小さな鉛筆を取り出し、空白のページが見つかるまで、ページをたくさんめくりました。視線をメモ帳に向けたままでナンバープレートの番号を尋ねられたので、声に出して番号を読み上げ、その情報はメモ帳に記録されました。次に警官はナンバープレートに目を向け、なぜプレートが黄色なのかと質問してきたので「車を買ったとき、すでに黄色のナンバープレートがついていた」と説明しました。

それから車のメーカーと車種も尋ねられました。上で述べたように、フィアット・プントでしたが、警官は「初めて聞く車種だ」とつぶやきながら、メモしていました。

質問を終えた警官はメモ帳と鉛筆を上着のポケットにしまいましたが、この時点で彼の制服が少しおかしいことに気づきました。イギリスで 2000 年代初頭にあったタイプの制服ではなく、昔の制服のように見えたんです。昔とはいえ、ヘルメット、ボタン、ブーツなど、すべては新品に見えました。

警官は「今晩このメモを署に持ち帰る。これから署員一同、君の運転に目を光らせているからね」と警告。さらに「後部プレートも標準の黒色に戻すように。さもなければ次回罰金を科すことになる」と注意されました。そして僕はやっとのことで、この気まずい状況から解放されました。

車に飛び乗り、シートベルトを着用。車を発進しながらバックミラーを確認しました。ほんの数秒、前を見てから、もう一度視線をミラーに移したら、警官の姿はそこにありませんでした。まっすぐな道で両側がハッキリ見て取れたのに、警官はどこにも見当たりませんでした。

デートを終え、帰宅してから、この日起こったことについて考察を始めたのですが、何かが腑に落ちませんでした。当初、一般人が警官に仮装していたのかと思ったのですが、制服は品質が高く、手入れが行き届いているように見えました。安っぽい変装グッズには見えなかった。果たしてこの警官の正体は? 下記のように考察してみました。

A) 後部のナンバープレートは法律にのっとった黄色だったのに、なぜ黒いナンバープレートに戻さなければならないと言ったのか? イギリスでは 1973 年以降、すべての後部プレートは反射性の黄色でなければならないと定められているのです。この年以前のナンバープレートは黒でした。

B) フィアット・プントについて聞いたことがない? 先ほど述べたように、この時代の英国では非常に一般的な車だった。現役の警察官なら誰でも知っているはず。

時代錯誤の発言、時代遅れの服装、突然現れ、突然姿を消した……これらの点を考え合わせると、別の時代から来て現代に紛れ込んだ人だったのではないかと思います。それとも、自分が死んだことに気づかず、仕事を続けている警官の霊? はたまた(これは可能性が極めて低いとは思いますが)警官に変装してあたりを歩き回り、違反車を停めてお説教するのを趣味にしている人だったとか……?

答えは出そうにありません。

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