医師さえも困惑させた、ペルー・アンデス山脈で起きた奇妙なタイムスリップ事件とは？
タイムスリップ、UFO、幽霊、未確認生物……ペルーの遺跡・マルカワシは、これらの超常現象に関する奇妙な霊的エネルギーを発散していると噂されている。
マルカワシはペルーの首都リマ市から88キロメートルのところにある奇岩地帯で、サン・ペドロ・デ・カスタ村の近くに位置する。この村の住民は遺跡の守護者と考えられており、見学を希望する訪問者に少額の入場料を要求する。入場料を支払った旅行者は雲の中へと消える山々を登り、標高3,920メートルの高原まで、7キロのトレッキングに乗り出す。
By Arístides Herrera Cuntti, CC BY-SA 3.0
この遺跡には、約1万年前のものと思われる岩石層がある。要塞、ヒキガエル、アザラシの谷、円形競技場などと名づけられた奇妙な形をした花崗岩は、インカ以前の文明の遺跡であると考えられているが、これらの構造物がどのようにして生まれたかについては議論の分かれるところである。人の手によって彫刻されたと多くの人が信じているが、単純な浸食によって形成された可能性も否定できない。過去のある時点で何らかの文明があったことを証明する古代の構造物もいくつかあり、岩が意図的に作られたという理論に信憑性を与えている。
研究者で作家のスコット・カラリスは、ペルーのラウル・リオス・サンティーノ医師から送られてきた不可解なできごとを記録している。サンティーノ医師は重度の片麻痺を患う女性の患者を治療していた。片麻痺とは右側か左側の半身が麻痺する症状。彼女の奇妙な体験は次のように説明されている。
匿名の女性は、夜遅くに数人の友人と一緒に、マルカワシの石の森に入り、奇妙な音楽に誘われて小さな小屋にたどり着いた。小屋は内部が松明で照らされているようだった。小屋の窓から内部で人々が踊っているのが見えたという。その時点で彼女は突然刺すような寒気を感じたが、特に気に留めることなく、開いたドアから頭を突っ込んだ。小屋の中にいた人々は 17 世紀の服を着ていたという。踊りの輪に加わるよう誘われた女性は小屋の中に入ろうとしたのだが、友人の 1 人が素早く外に引っ張りだした。
その直後、体の半分が麻痺してしまったという。小屋に入った部分が麻痺したのだ。サンティーノ医師は数々の医学的検査と診察を行った。CT スキャンでは、麻痺の原因となりうる血管の出血や外傷による損傷は見られなかった。サンティーノ医師は患者が未知の病気にかかっていると結論せざるを得ず、レムルス・アルゾビスポ・ルイシア国立病院で定期的な理学療法を含む集中リハビリテーションを処方した。
サンティーノ医師は、患者がいわゆる異次元に部分的に入ったことで、神経系に存在するエネルギーの流れに何らかの変化が生じたと個人的に考えているそうだ。このように異常現象の報告が多くあることから、マルカワシには過去への入り口があるのではないかともいわれている。
その一方で、マルカワシが癒しのエネルギーを発しているとの説もある。考古学者ダニエル・ルソの著書『マルカワシ：素晴らしい発見の物語』によると、遺跡には3種類の癒しのエネルギーの渦が少なくとも22個あると考えられているそうだ。車の事故で麻痺したペルー人の男性が遺跡に行き、そこで謎の男に遭遇した後、そのエネルギーによって奇跡的に治癒したという話もある。だが、麻痺した男性がどのようにして遺跡までの 7 キロを歩いて登ったかについて、具体的なことは何も分かっていない。
マルカワシでは、長年にわたり何百ものUFOが目撃されている。数え切れないほどの軍人の目撃情報により、ペルー政府は UFO 調査チーム「異常航空現象調査事務所」を設立した。調査チームには専門家が参加している。退役した司令官の 1 人であるフリオ・チャモロは、1991 年 12 月 7 日午後 9 時頃に発生した事件について次のように説明している。
当時の大統領アルベルト・フジモリが釣り旅行に出かけ、釣りを楽しんでいたところ、川から巨大な光る球体が出現し、ボートの上を漂った後、想像を絶するスピードで空に飛び上がるのを目撃したという。フジモリと彼の軍事安全保障チームの補佐官は全員、この驚くべき光景を目撃したが、公にしないことで同意したという。
幽霊の目撃談もある。2010年、マルカワシでキャンプをしている一行が不穏なできごとを経験した。キャンプ 1 日目の午前 1 時、遺跡に隣接する墓地から真っ白な幽霊が最寄りの町に向かって進んでいく姿を目撃した。2日目、ハイキング中に、すぐ後ろを誰かが歩いているのをはっきりと感じた。それに加えて、遠くを歩いている人影を何度も見たが、突然かき消えたという。地元の人々にこの目撃談を語ったところ、それらはよく見られる幽霊だと旅行者に認めたという。