これはアメリカの女性・Oさんの体験談です。
2020年の初め、私はオフィスの支配人として働いていました。事務所の壁に提案箱が取り付けられていました。提案箱とは、会社を改善するための提案を社員が投入するためのもの。箱、錠、鍵を特注で作りました。
2020年3月にコロナが流行り始めました。その少し前に箱から提案を取り出そうとしたのですが、鍵が見つかりません。鍵は専用の場所に保管され施錠されていたため、アクセスできたのは私だけ。厳密に言えば上司も鍵を取り出せる立場にあったのですが、取り出す理由はなかったはず。本人も取り出していないことを確認していました。新しい鍵を注文しようと思ったのですが、数日後にコロナが蔓延(まんえん)して自宅待機になったので、忘れてしまいました。
自宅に待機していたとき、暇つぶしのために今まで一度も行ったことのない近所の道や公園を探検して回りました。ある日、初めて訪れた公園で犬の散歩をしていたら、草むらで何かがワンコの注意を引いた様子。
見てみると、なんと投書箱の鍵が落ちているではありませんか! 混乱しながらも、拾い上げてポケットに入れました。なぜそれが自分の会社のものであることが分かったかというと、黄色いプラスチックのタグが付いていたからです。そのタグに私自身が鍵の用途を手書きで記しておいたのです。
2か月半後に職場に戻ったとき、その鍵を持参、案の定、投書箱の錠を開けることができました。どういうわけで鍵が見つかったのか、あのできごとにはどんな意味があったのか、いまだにわかりません。その公園は私の家と職場から20分ほど離れていて、しかもまったく別の方向にありました。今でも時々この不可解なできごとを思い出します。
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