因果パラドックスは、過去に送り返された物体または情報が、原因と結果の無限ループに閉じ込められ、もはや識別可能な起源を持たなくなり、「原因がない」または「自己生成」されたと言われる場合に発生する、タイムトラベルの理論上のパラドックスです。「鶏が先か卵が先か」の謎はその一例です。
タイムトラベルをテーマにした映画作品やテレビドラマでこのパラドックスが取り上げられることがあります。映画『ターミネーター』で、意識を持つ AI システムであり人類の宿敵であるスカイネットは、人類抵抗軍の指揮官になる運命を担ったジョン・コナーの母親・サラ(リンダ・ハミルトン)を抹殺するために、サイボーグ・T-800 (アーノルド・シュワルツネッガー)を2029年から1984年に送り込みます。その技術が分析され、リバース エンジニアリングによってスカイネットとサイボーグが作られました。
興味深いことに、このパラドックスは現実世界でも起こっているようです。日本の方々のそんな不思議体験談をご紹介します。
三角おにぎり
これは日本の三角おにぎりさんの体験談です。
これは、夢で見たものが25年後くらいに現実になった話です。
小学生の頃に夢を見ました。暗闇の中に手があり、三角のおにぎりを握っている夢です。それ以降、不思議なことに誰にも教わらずに、三角おにぎりが上手に握れるので家族によく褒められました。母も祖母も丸いおにぎりしか握れません。
その25年後くらいに、結婚して子どももいました。ある時に家族でキャンプに行きました。その時に暗い中、(ライトはありましたが)残ったご飯でおにぎりを握っていました。その見た光景が(暗闇の中で握る手が)夢とオーバーラップしたのです。
私は、未来の私に三角おにぎりの握り方を教えてもらったことになります。
山の神様
ウチの親父さんから聞いたヘンな話。
若かりし頃、早朝に川沿いの土手をジョギングしていたら、前方に一人の男が立っているのが見えてきた。田舎にいるはずの兄だ。
良く似た人だろうと思っていたが、近くに寄ってよ~く見ても兄そのものにしか見えない。声をかけると、「おう、お前か。早いな」と応える。他人の空似ではなく、間違いなく兄その人。
アレ、いつコッチ出て来たの? と訊くとギュッと顔を顰めて、「山の神様? わからんなぁ」と脈絡のない言葉が返って来た。
え? と戸惑ってるうちに、パッと消え去る兄の姿。
これは兄ちゃんの身に何かあったな、場合によっては死んだのかも知れん!と家に引き返し、田舎の兄宅に電話。ところが「おう、お前か。早いな」と電話に出る兄本人。
土手で兄を見て云々、山の神様などと言って云々、と今しがた自分が見て来た事を説明すると、「山の神様? わからんなぁ」と訝しげな返答。まあ山には気をつけとくよ、と話を切り上げる兄。
電話を切って一拍置いて、兄の言葉が土手で聞いたものと同じだと気付き、数日間釈然としない嫌ァな気分が残った。
だ、そうだ。ちなみに親父さんの兄は未だ健在。
このお話の場合、早朝の土手で未来の会話が視覚的に再現された。そのことを不審に思った投稿者さんがお兄さんに電話をかけた結果、この会話が起きた……ということで、原因と結果がループしています。本当に興味深い現象だと思います!