さよならを言うチャンス

独りで人形遊びをしていた6歳の少女が、突然、衝動に突き動かされ、家事をしていた母のところに足を運んで……

これはアメリカの女性・リーさんの体験談です。

2007 年初めのある日、私はもうすぐ 6 歳になるところでした。それまで過ごした他のどの日とも変わらない、ごく普通の日。私は独りで赤ちゃん人形で遊んでいました。そのとき突然、6 歳の私には感じたことのない奇妙な感覚が湧いてきました。

衝動に突き動かされるように階段を降りると、父がリクライニングチェアでテレビ ゲームをしていて、母は夕食の皿を片付けているところでした。私は母のところに行き、はっきりと「お母さん、お父さんもお母さんもいつか天国に行くことを分かっています。でも、言葉では言い表せないほど、二人を愛していることを知ってほしかったんです」と言いました。そして、他に何を言えばいいのか、何をすればいいのかわからず、その場を立ち去りました。

それから、およそ半年が経ちました。2007 年 6 月 9 日、両親はチャリティー活動のためにオートバイで外出しました。この活動は、私が生まれる前から何年も続けてきたものでした。走行中、 18 歳の男性が運転していた車が両親のオートバイに直撃し、母は即死、父も間もなく亡くなりました。

あれから17年が経ち、私は24歳になりましたが、あの2日間のことは、今でも昨日のことのように覚えています。でも、事故が起きたとき、私は寝ていたので、父母が旅立つ前に別れを告げる機会がなかった。だからこそ私は、この事故が起きるずっと前に、父母への愛を伝えるチャンスを与えられたのだと思っています。


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