ドライブデートを楽しんでいた 2 人がカフェを見つけ中に入ったら、人も内装も時代がかっていて……
これはイギリス・ウェールズ州に在住の女性、Hさんの体験談です。
これは1987年、私が18歳だったときに起きたできごとです。ある週末に、当時つきあっていた彼とウェールズのランゴレン周辺にドライブに出かけました。1 時間ほどドライブを楽しんだ後、長々と続く田舎道を下っていったら、一軒のカフェを見つけたので、入ってみることに。ウェイトレスに案内されて席に着き、コーヒーとケーキを注文しました。
給仕をしてくれた若い女の子は非常に古風な服を着ていました。その服があまりにも時代遅れだったので、彼と面白がらずにはいられませんでした。そのウェイトレスはウェールズ語しか話せませんでした。英語を話せなかったのです。ウェールズ語は私の母国語なので問題なかったのですが、彼女の発音は歯切れがよく素朴な感じで、違和感がありました。おそらく土地柄なのだろうと思いました。
お勘定をしたら非常に安かったので驚きました。カフェを出て車に向かって歩いていったら、中年の男性が驚嘆した面持ちで私たちの車を眺めていました。その男性はカフェのオーナーでした。車はどこにでもあるミニメトロだったのですが、男性はデザインに圧倒されており、私たちはあっけにとられました。
車に戻ったとき、旧式の黒いバイクに乗った 2 人のバイカーが通り過ぎました。その光景を一生忘れないでしょう。2 人ともゴグルを着用し、腰の部分をベルトで縛った茶色の革ジャケットを着ていました。2 人はまるで歴史上のできごとを再現することを趣味にしている人のように見えました。まっすぐな道だったので後についていったのですが、2 人はある時点で曲がり、畑の中を走り去っていきました。地元の人しか知らない未舗装の道でもあるのだろうと推測しました。
それから約 1 か月後、彼と一緒に同じ道をたどっていったら、前に立ち寄ったカフェが見えてきました。ところがそこは今では家になっていました! 窓は昔のままだったのですが、正面玄関が異なり、駐車場だった場所には緑豊かな庭園がありました。3 週間で建物がこれほど急速に変化するはずがなかったので、大きなショックを受けました。あれから 30 数年経った今でも、あれは一体何だったのだろうかと不思議に思っています。