筒井康隆の時間SF

筒井康隆(つついやすたか)

1934年に大阪市で生まれ、1968年にデビュー作『トウキョウ・スーパーマン』を発表。その後も、独創的なアイデアや斬新なプロットで注目を集め、多くの作品を執筆した。

筒井の作品は、しばしばSFやファンタジーの要素を含んでいるが、それらを通じて現実の問題や人間の心理を探求することも特徴。彼の作品には、テクノロジーの進化がもたらす影響や、現代社会の孤独や不条理などのテーマが見られる。

代表作品としては、『時をかける少女』や『日本以外全部沈没』、『旅のラゴス』などがある。これらの作品は、読者を未知の世界へ誘い、思考を刺激する要素が強く、その独創性から日本だけでなく世界的なファンを持っている。

筒井康隆は、その作品の豊かな想像力と哲学的な深みから、日本文学の重要な一角を担っている。

筒井康隆の時間SF作品

1967年

時をかける少女

放課後の誰もいない理科実験室で、ガラスの割れた音がした。そして、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々と起こり…。

ラベンダーの香りを嗅いだことで時を自在に超える能力を身につけた中学3年生の少女が、その能力を通じて重ねていくさまざまな思いや経験を、サスペンス要素や青春、ラブロマンスを交えて描く。

時代をこえ、世代をこえて読みつがれる表題作ほか、短編「時の女神」「姉弟」「きつね」を収録。

Kindle:時をかける少女
単行本時をかける少女


1975年

七瀬ふたたび

生れながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生れてはじめて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と、血みどろの死闘を展開する。

Kindle:七瀬ふたたび
単行本:七瀬ふたたび


2009年

秒読み (ボクラノSFシリーズ) 

核ミサイル発射のカウントダウンが、今まさに始まろうとするその瞬間、男の意識は、40年の時を遡る。表題作『秒読み』。

タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺めるというユニークな発想の『笑うな』。

江戸時代に異質な思考をすることで周りから浮く半四郎の顛末(てんまつ)『時越半四郎』など、筒井康隆の精髄14作品を収めた傑作集。

単行本:秒読み (ボクラノSFシリーズ) 

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